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●メンテンナンス作業における空気中の硫化水素の測定試験  

 公開日:2021年3月25日(訂正) 修正日:         実験日(測定日)  2021年3月9日、3月11日、3月12日

(索引)

■実験目的・概要 

■硫化水素の濃度と危険性 安全基準など

■実験の共通条件など

■各測定の結果 測定1.〜10.

■各測定結果と考察

■終わりに、現在の販売休止と本測定、今後につきまして 

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■実験目的・概要

 近年、高濃度(数100ppm等)の硫化水素での温泉、工場、汚水処理層等での各地の事故を鑑み、硫化水素の社会的懸念を考慮し、

 還元ろ過BOX、およびカルシウムリアクターBOX、また店内で使用している同様の原理を用いた大型器具につき、特にメンテナンス作業での空気中への硫化水素の発生

状態、安全性を確認するため、あえて閉め切った一般的な6畳の和室での硫化水素の測定器よる試験を行いました。

 特に、通常還元ろ過BOX、カルシウムリアクターBOXはメンテナンス時は換気をよくしたうえで、作業は風通しのよい屋外ですることと使用法に指示しておりますが、もし

誤って、あるいはこれに従わず、室内で換気せずに作業をしていた場合を懸念・想定し、その場合の安全性を確認するため、このような測定を行いました。

 本試験は、あくまで硫化水素の濃度の発生の状態を確認し、万一の危険性の有無を確認するために実験的に閉め切った室内で行った測定試験です。

 くれぐれも、実際のメンテナンス時は周囲・該当の部屋の換気をよくし、また本体のメンテナンス作業は風通しのよい屋外で行ってください。

■硫化水素の濃度と危険性、安全基準など

 硫化水素は0.3ppm程度で明確に匂いを感じ、嗅覚が鋭敏な人ではさらに低濃度でもわかります。

 硫化水素濃度の安全基準は、色々な法令でそれぞれに定められており、酸素欠乏症等防止規則(昭和47年労働省令42号)では10ppm、

 公益社団法人日本産業衛生学会の許容濃度勧告値(2018年)では5ppm、また環境省が2017年に定めた温泉地のガイドラインでは、

 温泉の浴槽の水面から10cmの高さで20ppm、浴室(洗い場等)で70cmの高さの場所で10ppmとなっています。

 これらは、その場所での作業や滞在する時間などを考慮して定められている基準と思われます。

 硫化水素は、自然界や日常的にもドブや生き物の死骸など身近に存在し、人間の口臭に原因のひとつでもあります。

 高濃度になると非常に危険で、さらに嗅覚が麻痺して臭わなくなり、近年、浄化槽やマンホールの中での作業中での死亡事故や、また温泉地(硫化水素泉)で高い

 濃度の硫化水素での事故も起きています。

 (参考URL)

   ・
https://www.asahi.com/articles/DA3S12618002.html (北海道の温泉事故の朝日新聞記事)
   ・
https://www.amita-oshiete.jp/qa/entry/014888.php?rank_210315 (おしえて!アミタさん 硫化水素の危険性と抑制方法)

(硫化水素の濃度と危険性)
以下、厚生労働省の酸素欠乏症・硫化水素中毒についてのページ(PDF) を参考に作成。

濃度(ppm 症状・作用
5ppm程度 不快臭
10ppm 許容濃度 
20ppm

350ppm

700ppm
気管支炎、肺炎、肺水腫

生命の危険

呼吸麻痺、昏倒、呼吸停止、死亡

■実験の共通条件等

 ・試験場所 : (当店) 6畳の一般的な和室 (出入り以外は、常に締め切った状態、家具・荷物などはあり) 以下のような環境で測定。

     

 ・測定機:  新コスモス電機 酸素・硫化水素濃度計 XOS-326(校正書付) XO  ※レンタルで使用。 

 ・各測定前にそのつど換気を行い、匂いを感じず、室内の濃度が測定値で0.0ppmになっていることを確認。

 ・測定の値について、今回の測定器は硫化水素が1.0ppm以上で反応をしめし、それ以下の場合は0.0ppmの値として表示されるため、以下の測定結果では測定器の

  数値が0.0ppmであったものは”1ppm以下”と記述した。

 ・扇風機による送風は、拡散させて室内の濃度を測る場合など、記述のある場合以外は一切行っていない。

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■各測定の結果

測定1.還元ろ過BOXの測定  (測定日:2021年3月9日 実際の実験順番:1)

店舗の60*45*45cmの主にイソギンチャク用水槽内で現在使用中で、メディア(デニトロゲン)がほぼまんたんに近い状態の還元BOX1個について以下の測定を行った。

    
使用していた水槽                        以下の測定Aの様子

@水槽からビニール袋に海水をいれたまま本体を取り出し、約8Lのバケツに本体を置いた状態: 

     ・本体至近:1ppm以下 ・バケツから約50cm上: 1ppm以下  (移動に用いた水12.5L間近:1ppm以下)

A本体を開封し、内部のメディアをバケツにそのまま出して広げた状態:

    ・本体至近:瞬間1.0ppm2回検知、以後1ppm以下 ・バケツから約50cm上:1ppm以下  ・体感の状態:開封時、若干の匂いを感じた。

B Aの状態で、部屋で扇風機を3分まわし、空気を拡散した状態でバケツから約50cm離れたところの値:(省略)   

■本測定での結果と考察

 還元ろ過BOXを通常使用している状態での硫化水素の発生は、開封しても、匂いはややするものの、大きな値は見られなかった。

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測定2.還元ろ過BOX(使用中)を3日間ビニール袋で養生したもの。  (測定日:2021年3月12日 実際の実験順番:9)

 1.で用いた還元ろ過BOXを、3/10〜3/12にビニール袋に海水とともに入れて密封し、養生・嫌気状態として硫化水素がふえると思われる環境を作り、開封し以下測定
   を行った。

 
    測定前の水槽内での養生中の状態                  以下の測定@の様子                   以下の測定Bの様子

   
        以下の測定Cの様子                     以下の測定Dの、数秒後の様子                測定Dで1分以上経過した状態

@水槽で養生のビニール袋に水をいれたまま取り出し、養生水の中で袋を振りながら、袋上部の空気部分にセンサーを入れて濃度を測定:

 袋を振るたびに値が徐々に上昇し、1分で約32ppmになった。 

A本体を取り出し、養生水だけをバケツにうつした養生水の至近:瞬間1.0ppm→30秒後1ppm以下  体感:鼻をちかづけると少し匂う。

B約8Lのバケツに本体を置いた状態:

 本体至近:測定開始直後3.5ppmから20〜30秒で瞬間約6.5ppmまで上昇 →後1〜2分で 1.0-2.0ppmに低下。 ・バケツ下から約50cm:1ppm以下

C本体の上部のスポンジだけを開封し、内部メディアの至近を測定

 メディア至近:最初の1分が約20ppm、数分で徐々に低下、 バケツ下から高さ25cm:常に1ppm以下

D内部のメディアをバケツに出して広げた状態 

 メディア至近:瞬間最高約11.5ppm→約30秒後:2.5ppm→約1分後:1.5-2.0ppm  ・バケツ下から約50cm上:常に1ppm以下  

 体感の状態:一分後の体感、バケツに顔を近づけ吸い込むとやや臭う。

Eメディアを断続的にかきまぜて以下のメディア至近を測定した。

  1回目:瞬間2.5ppm→30秒後1.0〜1ppm以下、
  2回目:瞬間2.5ppm→30秒後1.0〜1ppm以下、
  3回目:瞬間1.5ppm→30秒後1ppm以下、
  4回目:瞬間2.5ppm→30秒後1ppm以下、 

E D以降の状態で、部屋で扇風機を3分まわし、空気を拡散した状態でバケツから約50cm 離れたところの値:1ppm以下 (参考 O2濃度:20.7)

 体感:部屋に出入りすると、匂いがあるのがはっきりわかる。

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測定3.カルシウムリアクターBOXの測定 -1 (測定日:2021年3月9日 実際の実験順番:2)

    
使用していた水槽                        以下の測定Aの様子

.新品の個体を同年2/20-2/27に水槽内でビニール袋を用いて海水とともに密封養生し、その後店舗の90cm水槽に設置使用していたもので以下の測定を行った。 

@カルシウムリアクターBOX1個を、水槽でビニール袋に水をいれたまま取り出し約8Lのバケツにその水とともにBOXを置いた状態:1ppm以下 

 本体至近:1ppm以下 ・バケツから約50cm上:1ppm以下 体感:鼻を近づけると、若干臭う。   

A本体を開封し、内部のメディアをバケツにそのまま出して広げた状態 

 メディア至近:瞬間1.5ppm、後1.0ppm後、10〜15秒後に1ppm以下になった。 

 メディアをサジでかきまぜると、直後3.5ppm、30秒〜1分後:2.0ppm、以後かきまぜるたびに濃度が2.5ppm程度まで上昇、10〜30秒程度で下がる。

 ・バケツから約50cm上:常に1ppm以下 

B Aの状態で、部屋で扇風機を3分まわし、空気を拡散した状態でバケツから約50cm離れたところの値:1ppm以下 

 体感の状態:部屋に出入りする少し匂いがあるのがわかる。

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測定4.カルシウムリアクターBOXの測定 -2 (測定日:2021年3月9日 実際の実験順番:3) 本体湿重量:735g

店舗75*45*45cm水槽で数か月使用中のものについて以下の測定を行った。

    
使用していた水槽                        以下の測定Aの様子

@使用中のカルシウムリアクターBOX1個を、水槽からビニール袋に水をいれたままで取り出し、約8Lのバケツに本体を置いた状態: 

 本体至近:1ppm以下 ・バケツから約50cm上:1ppm以下   

A本体を開封し、内部のメディアをバケツにそのまま出して広げた状態: 

 メディア至近:直後に瞬間6ppmを検知、約30秒後3ppmに低下、バケツ底部から約50cm上:常に1ppm以下   

 体感:バケツに顔を入れて臭うとかなり臭う。

Bメディアをよくかきまぜ、部屋で扇風機を3分まわし、空気を拡散した状態でバケツから約50cm離れたところの値:1ppm以下 

 体感の状態:部屋に出入りすると、やや匂いがあることがわかる。

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測定5.還元ろ過BOXミニの測定  (測定日:2021年3月9日 実際の実験順番:5)

※以下4.5.の測定について、還元ろ過BOXミニとカルシウムリアクターBOXミニそれぞれ1個、計2個を、同じビニール袋に入れた海水で3/4〜3/9(約5日間)養生し、
その水を取り出して測定した。

     
    測定直前の養生中の水槽                       以下の測定Aの様子

@養生水の測定:養生中をビニール袋にセンサーをいれて直接測定 本体直近:1ppm以下   

A還元BOXミニ1個を、本体のみ養生していた袋から取り出し、洗面器に置いてフタだけはずした状態: 本体至近:1ppm以下 ・バケツから約50cm上:1ppm以下   

B本体を開封し、内部のメディアを容器等にそのまま出して広げた状態 メディア至近:1ppm以下 ・バケツから約50cm上:1ppm以下   

C Bの状態で、部屋で扇風機を3分まわし、空気を拡散した状態でバケツから約1m離れたところの値:1ppm以下   

体感の状態:すべての段階で鼻をかなり近づけても、ほとんど臭いを感じなかった。

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測定6.カルシウムリアクターBOXミニ@ 養生直後のもの   (測定日:2021年3月9日 実際の実験順番:6)

   
    測定直前の養生中の水槽                       以下の測定Aの様子

@カルシウムリアクターBOXミニ1個を、本体のみ養生していた袋から取り出し、約洗面器に置いた状態:

  本体至近:1ppm以下  ・バケツから約50cm上:1ppm以下  

A本体を開封し、内部のメディアを洗面器の中で上記写真の別容器に出して広げた状態: 本体直近:1ppm以下  ・バケツから約50cm上:1ppm以下    

B1-2の状態で、部屋で扇風機を3分まわし、空気を拡散した状態でバケツから約1m離れたところで値:1ppm以下

 体感:すべての段階で鼻をかなり近づけても、ほとんど臭わなかった。

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測定7.カルシウムリアクターBOXミニA 水槽で使用中のもの (測定日:2021年3月9日 実際の実験順番:6)

 店舗30×30×30cm(キューブ)水槽で使用中だったものを測定しました。

 ※この個体は、通常のカルシウムリアクターBOXメディアに使う、パウダーサンゴ砂のかわりに寒水砂を使用したメディアを用いています。

    
    使用中の水槽                         以下の測定Aの様子

 試験用カルシウムリアクターBOXミニ1個を、ビニールに水ごと運んで取り出し、容器の上において、測定した。

@本体至近:1ppm以下  ・バケツから約50cm上:1ppm以下  体感:ほとんど臭わない  

A本体を開封し、内部のメディアを洗面器に出して広げた状態:

 ・本体至近:1ppm以下 ・バケツから約50cm上:1ppm以下   体感:鼻を間近までちかづけると、若干臭う。

B上記の状態で扇風機を3分まわし、空気を拡散した状態でバケツから約50cm離れたところの値:1ppm以下 

 体感:特に臭わない

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測定8.業務用 大型カルシウムリアクターBOX(通常サイズの約6倍の容量)の測定 

測定日:2021年3月9日 実際の実験順番:4

 店内で養殖サンゴシステムの業務用に特別に作成・使用している大型のカルシウムリアクターBOX(内部メディア分量が実測で1.3L(湿潤状態)で通常のCaBOXの約6個

分)について、試験を行いました。

   
       使用していた状態                         以下の測定Aの様子                 以下の測定Bの様子 この時50ppmを検知

@使用中のカルシウムリアクターBOX 1個を、水槽でビニール袋に水をいれたまま取り出し、約10Lのバケツにその水とともにBOXを置いた状態: 

 本体至近:1.0-2.5ppm ・バケツから約50cm上:1ppm以下

A本体を開封し、上部スポンジ部分を取った状態: メディア至近:2.0ppm バケツから約50cm上:1ppm以下

B内部のメディアをバケツに出して広げた状態:

 メディア至近:直後、濃度が急上昇し瞬間50ppmを越えた。 ほぼ同時にバケツ下から高さ約25cm:約11ppm バケツ下から高さ約50cm上:1.5〜2.5ppm 

 バケツに扇風機で送風するとメディア至近の濃度が即下がりはじめ、数秒〜10秒程度で変動しながら数ppmになった。

 以後、バケツの中のメディアをサジでかき回すたびに、一時的にメディア至近部分の濃度が上昇。回数を重ねるたびに徐々に低下する反応となった。

 体感:メディアをかき回した直後、体感の状態:バケツの付近・中に顔を入れて臭うと、かなり臭い。

C上記の状態で扇風機を約3分間まわし、空気を拡散した状態でバケツから約50cm離れたところの値:1ppm以下

Dさらにメディアをかきまわすたびに上記に近い濃度が発生、数度繰り返すうちに、徐々に濃度が下がってきた。

 メディアをかき回しながら扇風機で送風し、室内の空気を撹拌した状態で室内の濃度を測定し続けたところ、徐々に上昇し、

 @の測定時から約40分後に室内が2.0〜2.5ppm となった。  

   
      上記測定Dの様子                   メディアをかきまぜ、扇風機で送風している様子               40分後の室内の濃度       

体感の状態:部屋の匂いは、ややする。出入りすると外界との違いがはっきりわかる。

E上記測定後・部屋の出入口と窓をあけて扇風機を用いて換気を行うと、数分で1ppm以下(体感でもほぼ臭わない)となった。

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測定9.業務用 大型還元BOX(通常サイズ約3個分の容量のもの)の測定 (測定日:2021年3月12日 実際の実験順番:10)

  
    測定前の濾過槽内での使用中の状態                 以下の測定Aの様子                   以下の測定Bの様子


メディア残量:実測で約600ml残の状態(湿潤状態) (※通常の還元BOXのメディア体積が235mL) 本体込み湿重量:1056g   (メディア残量 約2/3の状態)

@使用中のもの1個を、水槽(濾過槽)でビニール袋に水をいれたまま取り出した。

 本体をいれたままの水の測定:1ppm以下  ・体感:鼻を近づけると若干臭う。

A約10Lのバケツに本体を置いた状態: 本体至近:1ppm以下 ・バケツから約50cm上:1ppm以下 

 体感の状態:鼻を近づけるとかすかに臭う。ただ、部屋に出入りすると違いがわかる。

B本体を開封し、内部のメディアをバケツに出して広げた状態: メディア至近:1ppm以下 同時バケツ下から高さ25cm:1ppm以下

 バケツから下から高さ約50cm上:1ppm以下 

  体感の状態:鼻を近づけると若干臭う。部屋に出入りすると違いがわかる。

Cかき回した直後の状態と測定:1ppm以下 :体感:部屋に出入りすると、臭いがある、違うことがわかる。

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測定10. (参考実験) マガキガイの死骸の測定 (測定日:2021年3月9日)

約3cm前後のマガキガイ約25個が輸送の原因によって3/5入荷時および翌日3/6に死んでしまった死体を、3/6に貝殻だけを残すために海水とともにビニール袋に入れ、

死骸を腐らせていたものを3/9に開封し、各硫化水素の測定を行った。

 袋を開封して、袋上部の空気部分にセンサーをいれるとすぐに50ppmを超える値となった。匂いも死骸の腐敗臭もあるためと匂いも強烈で、中身を8Lバケツに広げると

直後は至近で14-15ppm程度を検知し、後に低下していった。きわめて強い腐敗臭、不快臭があった。

  

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■各測定結果と考察

 まず、全体を通して、還元ろ過BOXとカルシウムリアクターBOXでは、カルシウムリアクターBOXの方が硫化水素の発生が多いことが明らかであった。カルシウムリアクター

BOXは、パウダー状のサンゴ砂を用いるため、内部が密になり、より嫌気的になりやすいからではないかと思われる。

 還元ろ過BOXについて、再度密封して養生を行い、あえてより嫌気的な条件をつくった測定2.では養生の袋の中の気体での32ppm、開封時のメディア至近で6.5ppm

など、通常使用時にはみられないやや高い濃度が測定された。 ミニタイプのBOXタイプではいずれの場合でも測定器で検知できないほど硫化水素の発生は少なかった。

 また、室内全体の濃度としては、6畳の閉め切った部屋で各1個を作業した状態では1ppmを超える結果は見られず、すくなくともこれら製品の通常サイズ、ミニサイズでは、

本体の取り出しの際には換気を行い、作業自体を屋外ですることで問題になることはほぼないと思われる。 

 ただ、内部メディアを開封し、メディアを容器に広げた至近で、瞬間的に放出される硫化水素を吸い込むようなことだけは注意し、さけるべきである。

 測定8.業務用 大型カルシウムリアクターBOXでは、開封しメディアを広げた直後、メディア至近では瞬間的にとはいえ、50ppmを超える値がでた。

左記の測定1.〜7.と比較して考えると、単にメディアの分量だけでなく、本体を大きく作成するほど嫌気的な部分の面積・体積が飛躍的に増え、硫化水素の発生も多くなる

ことが考えられる。 危険性を考慮すると、このように大きなサイズのもの作成・使用することは基本的に避けるべきであると考える。

 また、これらを開封したりメディアを広げた瞬間や、メディアをかきまぜた際に硫化水素が一時的に多く発生する。

 このことに注意するとともに、作業はやはり風通しの良い屋外で行うこと、また使用していた部屋では換気や送風を行うことが安全かつ重要である。

 ただ、今回もっとも大きな値がでたこの測定8.の大型カルシウムリアクターBOXでもメディアを撹拌して硫化水素を出し続けた状態で、6畳の閉め切った室内で40分後の

室内濃度が2.0〜2.5ppmであったことから、発生している硫化水素の総量自体はその環境で人に直ちに健康被害を及ぼすようなものではないと思われる。 

 しかしやはり最低限の注意として、全体的にメンテンナンス時に開封し、内部のメディア等を広げた至近・直後の瞬間は、拡散前で必然的にそこの濃度が高いため、極力こ

れを吸い込まないように注意をするべきと思われる。また非常に低濃度でも悪臭があるため、換気を行い、作業は屋外で行うべきである。

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■終わりに、現在の販売休止と本測定、今後につきまして 

 今回、突然の販売中止とこのような測定試験を行い、お騒がせし、またかえってご心配をおかけしたかもしれず、本当に申し訳ありません。

 2021年3月5日の 店長の後悔日誌 でも記述させていただきました通り、活性底面BOXについてなんらかの事故や支障が報告されて販売休止・本試験を行ったわけで

なく、(もしそのようなことがありましたらこれまで通り、かならず報告し掲載いたします。)まず、店長の私 政田が2月初頭頃から、不安神経症またはそれに類似した病にか

かり、あらゆることに不安を覚え、自店で販売している製品にもことごとく不安と懸念を覚えてしまい、これまで約15年間販売させていただき、ともに歩んでまいりました活性

底面BOXについての硫化水素の発生にも温泉等での事故での社会的懸念を背景にこれまでに問題に感じなかった懸念を持ち、販売を休止したことが最初でございました。 

 そして、とにかく一度きちんと機械による測定を行うべきであると思い、また今までもそれをしていなかったことは、落ち度であったと深く反省しております。

 測定結果を客観的にみますと、少なくとも還元ろ過BOX、カルシウムリアクターBOXのそれぞれ通常サイズ、ミニサイズをそれぞれ1〜数個の使用で、説明書に沿った

使い方をして頂ければ、(あるいは仮に誤って換気せず、室内で作業をしたとしても)あるいは、意図的に開封した内部メディアに鼻をつけて、濃い硫化水素を吸い込むような

ことをしない限り、どう考えても健康被害が及ぶような発生量ではないと思われます。

 販売休止から3月下旬現在まで、多くのお客様から 「メンテンナンスの際に横着して屋内で(換気せず)作業したら匂いがし、家族にくさいと言われた程度」 「長年使用

しているが、なんら水槽に問題なく非常に好調で、まして健康被害などありえない」というような有難いお声を複数いただき、また再販を期待してくださるお声が多く、心から感

謝しますととも、なんとかもとの販売できる状態に納得できる形で戻したい気持ちと、一度心にできてしまった懸念を払拭する困難さの間で悩んでおります次第です。

 3月25日現在、まだ結論がだせず、本当に申し訳ありません。ただ、少なくともほとんど発生しないミニサイズまで休止にするのは、いくらなんでも行き過ぎたことかと思っ

ております。また、日ごとにそう思えるようになったというのが正直な気持ちです。

 今後のご連絡は、フェイスブックページ、また本館記事の 店長の後悔日誌 でご連絡をさせていただく予定です。

 ご迷惑をおかけし、本当に申し訳ありません。何卒、ご寛容とご容赦をお願いできますと幸いです。

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