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最終追記・訂正日:2020年10月04日
記述開始     :2008年1月5日

分かりにくい追記・訂正部は、ピンク色の文字にしております。)

<※誠に恐れ入りますが、各記事・コラムは断り無く内容を変更するこ
とがありますので何卒ご容赦の程、お願い致します。>

ここでは主に飼育器具類に着目し、飼育に役立つ使い方、実際の効果、問題点などを当方の使用経験・お客様などのご報告からまとめ、解説しております。

(索引・ブックマーク) 

照明器具 → こちらに専用記事ページを設けました。 R2/10/4

●循環ポンプについて

 ・ポンプの流量の検討→ろ過システムのガイドのページに掲載しています。 

 ・ポンプ(水陸両用)に接続したパイプの径と流量の減衰実験  

 ・水陸両用ポンプの騒音試験

砂(底砂) 2020/8/1 寒水砂の紹介、亜硝酸の硝化試験 

アクリルとガラス水槽 

ヒーター 

オゾナイザー(2015/10/16訂正)

殺菌灯 

プロテインスキマー

人工海水

比重計 

 

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ポンプ(水陸両用)に接続したパイプの径と流量の減衰実験 2014/3/19 初掲載  

 ポンプに接続する塩ビ管・パイプの径によって、どれくらい流量が変化するのかということが前から気になっており、2013年2月に実験したものを掲載いたします。
下のような実験器具を準備し、水陸両用ポンプに各サイズの径の塩ビパイプを接続して真上方向にかなりの高さを揚水させ、各流量を測定、比較してみました。

●実験方法

  下記の実験器具でポンプを30秒間稼動させ、その間に揚水された水量をそれぞれの径のパイプで測定する。 

  ・揚水する高さ:2130mm(水面〜パイプの排出口 下図を参照)
  ・使用ポンプ:シッチェマルチ2500 (60Hz)(最大流量45L/分、最大揚程3.1m、38W)
  ※本来、このポンプの流出口には25mmのパイプ(給水栓ソケット)が適合している。
  ・実験日:2013年2月20日

   
(左)実験器具の図  (中)(右)実際の実験風景

●実験結果(流量) 

 13mmパイプ使用時:4.2L  16mmパイプ使用時:5.8L 20mmパイプ使用時:7.5L 25mmパイプ使用時:7.6L 

●考察など

 当方が普段、憶測・イメージで持っていた印象より、実際にはパイプの径が大きいほど流量が多く、効率がよいことがわかりました。
 まして最大3.1mの揚程の本ポンプで、2.1mの揚水では25mmパイプなど、中の水の重量がかなりになると思われますが、それでも25mmがもっとも多く、予想を超える
 結果でした。

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水陸両用ポンプの作動音実験 2010/10/29初掲載 2013/5/26改定

 水陸両用ポンプの数種を、水の外で使用した場合の騒音を測定しました。
ポンプを購入される場合、最近かなり注目されるのが騒音です。水陸両用ポンプは水の外で使用したとき、騒音がマグネットポンプより小さいということが利点で、最近の循環
用として使われることが多く、なっています。ただ、近年マグネットポンプも大変静音になってきており、50L以上のものでは、ものによっては水陸両用の方が音が大きい?と
思われる程です。
 特に以前当方で扱っておりましたシッチェのマルチシリーズは、やや騒音がしますのでそれを記述しているところ、迷われている方が多いようです。
そこで、実際にどの程度の騒音か、数種のポンプを用いて実際に騒音計を用いた測定・比較を行ってみました。
 また基準が分かりにくいため、小型の比較的静かなエアーポンプ
 ニッソーイノベータ1500 2.5Wを参考として測定しています。

測定方法

 写真のように、50L程度のポリププロプレン製の容器に水道水を入れ、ポンプとホースを繋いで作動させる。
 実験所の床は木造で、ポンプの下には、水で湿らせたタオルを3度折ったものを敷く。
 ポンプの外側表面から10cmはなれた場所に騒音測定機のセンサーの中心がくるように置き、本機で測定できる騒音特性Aと特性Cをそれぞれ測定。 
 参考のため、一般的なエアーポンプ(ニッソーイノベータ1500)の騒音を同じ距離で測定(ただし、地面じゅうたんの上で測定した。周囲騒音等はほぼ同じ)
 騒音測定器:ビーズ株式会社製 GS-04 サウンドレベルメーター
 
 (写真は測定の様子。)

                    
            (左)参考ニッソーイノベータ1500      (中)(右)水陸両用ポンプ測定の様子

測定結果 

  特性A測定値 特性C測定値 特性Aの
実際発生騒音
特性Cの
実際発生騒音
無稼動状態の周囲騒音 35.0 50.0 0.0 0.0
(参考)エアーポンプ ニッソーイノベータ1500 2.5W(本体のみ)(中古)  66.2 70.4 31.2 20.4
(参考)エアーポンプ ニッソーイノベータ1500 2.5W約2mのエアチューブを接続(中古)  45.7 66.3 10.7 16.3
         
エーハイム1250(毎分約20L) (中古) 42.2 56.0 7.2 6.0
マキシジェットMP-1200(毎分約20L) (中古) 54.5 70.8 19.5 20.8
シッチェMULTI2500(毎分約20L) (新品) 49.9 56.7 14.9 6.7
シッチェMULTI5800(毎分約95L) (新品) 65.5 81.0 30.5 31.0
オーシャンランナー6500(毎分約108L) (中古) 60.5 64.5 25.5 14.5
(参考)シッチェMULTI5800を浮かせた状態 (新品) 57.4 61.0 22.4 11.0

結果・および体感からの考察

 まずエーハイム1250がもっとも静音という結果が出ました。体感で、すぐちかくに耳を近づけてもほとんど分からないくらいです。ほぼ無音と言えるでしょう。
マキシジェットMP-1200は多少うなり音がしました。少し離れるか、水中ならほとんど聞こえない程度の騒音です。ただ、インペラのカバー部分のセット状態の具合
で異音のような少し大きな音が出る場合がありますので、セット時に注意したほうがいいでしょう。
シッチェMULTI2500は体感ではマキシジェットMP-1200と同じくらいの大きさの音ですが、やや違う音です。
シッチェMULTI5800になると、あきらかに少し大きな音がします。 水陸両用ポンプの中では音が大きい方と言われるオーシャンランナー6500より若干音が大きいくらいです。
 シッチェMULTI5000には吸盤などのパーツが無いため振動が床によく伝わり、その反響もあったため、MULTI5000を少し地面(タオル)から浮かせてみたところ、うなりが減っ
 てやや静かになりました。

 参考として測定したエアーポンプは、上記ポンプと音質は違いますが、あくまで目安の比較として考えていただき、エアーチューブを繋げずに作動させた”ガ〜”というよう
 な少し大きな音と、チューブを繋げたときに幾分静かになる状態で、その差異をある程度想像していただけるかと思います。

他ポンプについての補足:今回、測定をしなかったポンプにつきまして、あくまで体感のみですがご参考までにご報告します。
 ・シッチェMULTI1300:マキシジェット
MP-1200と同程度
 ・シッチエMULTI4000:MULTI2500よりもう少し小さい音に聞こえました。
 ・エーハイム1262:今回測定の1250よりごく僅かに大きいものの、非常に小さな音でほとんど気にはならないレベルです。

※概して、あるシリーズのポンプの騒音の大きさは、普通は大きな機種(流量の多い機種)ほど騒音も大きくなります。そのため、シリーズの騒音を比較する場合は流量の多
いもので比較すると分かりやすいでしょう。

 

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砂(底砂(2013年5月 全改定済み)

 水槽の底に敷く底砂について、ご質問が多く、疑問点も多いようですので先に追加させて頂きます。

お勧めの砂

 当方では、18年ほど色々な砂や使用を行った結果、家庭用レベルの海水魚飼育で使用する砂は、極論しますと砂はほぼ2種類のみでよいという結論に到りました。
それは、@まず底砂に単純に敷くだけなら1〜3mm粒径のいわゆる”細かめ(3番)”の砂、Aそして濾過層や底面フィルター用としては(長辺で)5〜10mm程度のいわゆる
小豆大(”粗め”10番)サンゴ砂、この2種です。
@は、水流などで巻き上げても充分重さがあって舞い上がらず、かつ魚やベントスゴビーの生体でも充分に掃除できる小ささで、また10cm程度敷いても水流があれば硫化
 水素などが溜まらず、好気的ろ過の補助として役立ちます。
A特に強制的に水を通過させるろ過砂として使用する場合、目詰まりをせず、また仮にしても水が通水できる荒で一番細かい大きさという点で小豆大がベストであると考えま
 す。底面フィルターにはこれが最適でこれより細かい@などではいずれ通水が減って機能できなくなってしまいます。
 ただ、流量が毎分50L以上の大型のOF式システムの濾過層でろ過材として使用する砂は、もう1ランク上の”大粗め(15番)”の砂の方が構造的に安全と言えます。
 ただできるだけ小豆大砂を使用できる構造(充分に物理ろ過等のプレフィルターがあり、砂を入れている濾過層の通過面積が大きい)で使用した方が、物理・生物ろ過能力
 が高く、好ましいと考えております。

パウダー砂(0番砂)は見た目は綺麗ですが、使いにくいです。

 パウダー状のサンゴ砂は、見た目に美しいため人気があり底砂として使用されます。水槽の砂は細かいほど水槽が広く見えるという視覚的効果もあり、当方でも過去にかな
り多量に使用して実験を行ったことがありましたが、色々な判断の結果、最終的に使用を完全に止めました。理由は、以下のようなものです。

・粒が小さいためゴミを飛ばすための水流で水と一緒に流れてしまう部分が多く、濾過層などへ吸い込まれて流れてしまうことがあること(濾過層の形状にもよります。)
 →結果として濾過層の頻繁なメンテナンスが必要となり、それが原因でバランスを崩す場合がある。

・自然な還元ろ過など、目的がある場合は利点でもあるのですが、数cm敷いた状態で嫌気的になり、通水が極めて悪いため好気ろ過の補助の目的としてはあまり適さず、
 また長期間使用していると硫化水素が広範囲にわたって蓄積し、ある日突然一気に水槽に放出されて全滅を招く場合があったり、またお客様の例では、ランドールシュリン
 プなど底を掘って住処を作るエビなどがそれによってどうしても死亡しやすくなるようです。

魚の病気に関しては敷いた方がいいのか、悪いのか、ベアタンクは有効か 2012/5/12更新追加、17日訂正 

 昔から魚の病気にために、底砂を敷かない方が良いという考えがあります。これはほぼその通りといえますが、時に違うとも言える場合もあります。
底砂が無ければ、敷いている状態よりたしかに溜まるものが少ないですので、白点虫なども比較的少ないと言えます。ただ、上記のように1〜3mm程度の砂なら生体が容易
にひっくり返せるため、そういう場合はかなり綺麗に保てるということと、コケの発生に関しては敷いている状態でひっくり返させた方が有利でさえあります。
 コケの表面にも、白点や各種病原虫が付着しやすいので、必ずしも底砂を敷いていなければ病原がきわめて少ない、ということにはならないと思われます。
またベアタンクでも実際には水流をつけても死角や岩の下には沈殿物がたまり、 これを巻き上げるという意味ではあまり差異は無いとも言えます。ただ、水流が強く、効率的に
発生していたり、大きな魚、動きの活発な魚が多い水槽では、魚自身が泳ぐことで掃除になり、底が常に綺麗になっているという状態もあります。砂は敷いていれば表層は種々
の攪拌で綺麗になっていても、普段攪拌されない深部にはかならず沈殿物が堆積しますので、特にそういう水槽では沈殿物がたまっていること自体が見え、敷いている状況よ

りはよりろ過器に沈殿物、ゴミを集中させやすく、 やはり比較的ベアタンクの方が清潔とは言えると思います。

底砂の掃除、攪拌生物を入れる場合の注意 2012/11/10追加

 海水の特に無脊椎水槽では長期間放置された底砂の清掃は 魚が入っている状態では絶対にしてはいけないという のが原則で、ろ材をかき回している状態に等しく、すれば
状態にかかわらずなんらかの病気が出ることが非常に多いです。 逆に定期的、頻繁に掃除していればそういった害は 少ないですが、それでも危険ですのでできるだけ マガキ
ガイや底ハゼ類などで少しづつ攪拌、掃除 させるといいでしょう。ただし、これらでも初めて入れますと、その作用だけで 病気が出ることもあります。
 できれば、最初は攪拌のおとなしいマガキガイ1匹くらいからはじめ、少しづつそういう生物を増やしていくほうがいいでしょう。

サンゴ砂を綺麗な色に脱色する方法 

 サンゴ砂は、使用していますとだんだん黄色い色や、また照明に当たっている部分は非常に薄いコケがこびりつき、黒っぽくなってまるで砂自体の色が変ってしまったような
状態になっていきます。これはお水で手洗いをしてもなかなか落ちませんが、この色を取る方法がいくつかありますのですでに一般的な既出の方法もあるかと思いますが、以
下にご紹介致します。

方法1.
 砂を漂白剤を混ぜた淡水に漬け込み、脱色します。その後何度も水ですすいで洗浄し、塩素中和剤(カルキ抜き)を通常の3倍程度使用した水に漬け込んで一晩、置きます。

方法2.
 砂を天日干しにします。日の当たっている部分は晴れの日ならまる1日でほぼ真っ白になります。安全かつ効果的で、当方でもよく行う方法です。脱色されるのは日が当たっ
ている場所だけですので、できるだけ砂を平面に広く伸ばせるような状態が好ましいです。

 →2日後 

 
左半分は、1日干した状態、右半分は干していない(日の当たっていない)状態です。色の違いがはっきり分かります。

・水槽内での事ですが、砂は表層だけがも色がついたり、汚れている場合がほとんどです。これをそっととり、上記のいずれかの方法で脱色しておいて、ローテーションで交換
 する形で敷きなおせば、新品の綺麗な状態に保つことができます。
 もっとも、使用している砂が3番(細かめ)以下で、もともと水槽内に底砂を撹拌する生物がいれば大分緩和されますが、底面フィルターなどで小豆大サンゴ以上の砂を使用し
 た場合、砂の粒が大きくて重いため、生物による撹拌ではなかなか綺麗にならないため、水槽の景観をたもちたい場合、この方法が有効な場合があります。

寒水砂の紹介、亜硝酸の硝化試験 2020/8/1 

昨今、まったく入荷ができない特に3番サンゴ砂の代用品として、当店では寒水砂というものを扱いを始めました。寒水砂はサンゴ砂と成分はほぼ同じ炭酸カルシウムで、建
材など幅広く使われている砂です。色はサンゴ砂よりもう一段きれいな白色です。(稀に色のついた粒が混ざっています。)
 当店でも安全試験のため同年2月6日より使用を継続しています。

これの亜硝酸酸化試験を、カートショップの販売ページに掲載いたしましたので、宜しければご覧ください。

 

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アクリルとガラス水槽 (2011/7/22)(2013年5月 全改定済み)

 誠に今更ながら、お客様からのご質問を頂きましたので、アクリル水槽とガラス水槽の違い・メリットとデメリットを徹底的に記述してみることと致しました。

  アクリル水槽 ガラス水槽
メリット ・重量が軽い
・一般にフランジ(フタ乗せの部分)が広く、フタにサイズの違いなどが多少あ
っても使える場合が多い。また、種々の周辺機器を使いやすい。※ただしデ
メリットになる場合もある。(下)
・OF加工他、自分で工作する時もアクリルなので行いやすい。
・もっともノーマルなものでも、アクリル製品独特の美しさがある。
 また、上部、下部にある帯状の部分が無いものも昨今は多く、見た目に綺麗。
・僅かな擦れ等では傷はつきにくい。
・各社の専用の上部フィルターなどは水槽の形に合っており、ぴったりと乗る
ため 使いやすい。
デメリット ・傷が付きやすい。マグネットクリーナーなどはうっかり砂を挟んでこすらないよ
 うに充分注意して使う必要がある。
・メーカー品の一般上部フィルターでは、フランジが邪魔になって使用できない
 こともある。
・アクリルの厚みが製品によって違い、薄いものでは水を入れたときにやや膨
 らんでしまう。
 ※90cm水槽では強度的には板の厚みが5mmで充分だが、ほとんど膨らま
 ないようにするには、7〜8mmの厚みが必要になる。
・アクリル水槽より明らかに重い。(通常、2〜3倍)
・90cm以上のクラスでは、水槽の中央・前後に橋状の補強部分があり、これ
が黒色・有色である場合があるので、やや照明の邪魔になってしまうことが
ある。
・あくまでアクリル水槽と比較して、もっともノーマルなもの(四隅をシリコンでと
 めてあるもの)は見た目がやや劣る。
・傷がつきにくいものの、小さなキズでもついてしまうと、ガラスの特性で衝
撃で 全体が割れてしまうことがあり要注意。
寿命・劣化 ・製品により、溶剤接着と重合接着という接着方法の違いがあり、後者の方が
 良いとされるが、安価・小さな水槽の多くは前者である。ただ、必ずしも前者
 では寿命が短いという訳ではない。
・溶剤接着のものは、長年使用すると板の接着部に、”す”と呼ばれる横筋が
 入りここから僅かに水が漏れる状態になることがある。
・日光に当てると劣化しやすいので注意。

・明確な寿命は不明。当店で使用しているものは溶剤接着のもので最長15年
 以上使用中、未だ問題なし。

・ガラスを止めているシリコンが劣化してくると水が漏れてしまう恐れがある。
ただし、シリコン系充填材を用いれば、さしあたりの修理は容易に可能。
・日光に当てるとシリコンが劣化しやすいので注意。ただし水が入っていれ
ばあ まり劣化しない。
・寿命は不明。当店で使用しているものは、最長で15年以上使用中、未だ
問題
 なし。
価格

適当なサイズ

・一般的なタイプでは、120〜150cm以上がガラスより安価でしかも軽いため
 使用しやすい。(ただし、板の厚みによって違う。)
 また、60*45*45cm〜90cm水槽でも、曲げカラスの高グレードガラス水槽
 よりは安価な場合が多いので、やや見た目も考慮して採用されることが多
 い。大型水槽はガラスよりずっと割安。
・グレードにもよるが、特にもっともノーマルなタイプ(四方をシリコンで接着した
 もの)では、60〜90cm水槽まではアクリルよりかなり安価。
 例:60×30×36cm:¥2000〜、90cm水槽でも今や¥5000〜6000のものが
 ある。
 特に親しまれている60*30*36cm水槽(一般に60cm規格水槽と呼ばれる)
 は非常に安い。
 ※昨今はメーカー品のセットものをバラして販売されていることが多く、この
販売ででている水槽は曲げカラスのやや高級なものでも非常に安価。
 
 ただ、曲げガラスのものなど少し見た目の良いものではアクリルの方が安価
 になる。
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ヒーターについて (2013年5月 全改定済み)

●器具の選択

 ヒーターはサーモと組み合わせて使用しますが、この種類に大きく3種あります。

  @サーモスタットとヒーターがそれぞれ別商品として分かれているもの
  Aヒーターとサーモがくっついた形で、それぞれに本体があり温度調節ができるもの(ヒーターに温度センサーが組み込まれています。)
  Bヒーター本体にサーモが組み込まれ、調節機構を持たないオートヒーター(外観はヒーター部分のみ)です。

 基本的には、これから購入されるなら、@がお勧めです。ヒーターとサーモをそれぞれ別に選択でき、ヒーターが故障した場合にも交換・容量範囲内で追加・変更が可能です。
ただ、@はサーモのセンサーを水中にいれて使用しますので、これが万一水槽の外にでていたりすると、ヒーターの加熱がつづいて全滅になりますから十分に注意しなければ
なりません。センサーのコードは、水槽から出ないように水槽の外部分にテープなどで固定しておいたほうがいいでしょう。センサー本体に吸盤がついていますが、これだけ
では絶対あてになりません。(すぐに硬化してきかなくなります。) 逆にA、Bはヒータ本体にセンサーが内臓されているので、この心配だけはありません。 

・ヒーター本体は、空焚き防止機能だけはぜひ付いたものを

 観賞魚の器具の発火・火災で一番多いのがヒーターによる火事です。これは空焚き防止機能があればほとんどの場合阻止できるものですので、どうか空焚き防止機能
だけはついたものをどうかお使いください。価格的にはせいぜい数百円の割り増しです。(高機能なものは、空焚き後、水が入ると再始動するものもあります。)

・オートヒーターは一本あると便利

 オートヒーターは、外観は普通のヒーターですが、サーモスタットが内臓されているヒーターで、単体で用いることができます。ただ、温度設定ができず、故障時も単体ヒータ
ーだけを交換する時よりはコストがやや高くなるため、永続的に使うにはやはり別途サーモがついたものがよいと思います。
 あと結構こまるのは、普通は26℃前後の固定になっていますが、温度が高めになってしまう個体、個体差が結構あることです。有名メーカー製でも個体差も多く、29℃近く
までなってしまうものもありました。あまりにひどい場合は早いうちに返品交換を願い出るといいと思います。ただ、これは一応対処方があり、水流の無い場所に、ヒーターカ
バーを用いて設置し、さらに岩などで覆ってしまえば、自身の発生した熱がたまってサーモが働いて止まり、水温の上昇をほぼ抑えることができます。
 ただ、1本あると何かと便利です。一時別容器で保温をしなければならないとき、水槽が多数あって色々な作業がある場合等、サーモを用いるとかえって危ない、用いにく
い状態のときは大変重宝します。

・200Wヒーターは切れやすい傾向がある

 ヒーターはいつかは内部のニクロム線が切れて使えなくなってしまうものですが、私の過去の経験で過去約20年間、ニッソー、GEX、コトブキ製の100〜200Wのヒーターを
40〜50本使用した経験では、なぜか200Wが一番切れやすい傾向にあります。というより、これまで100w、150Wが切れてしまったものがあまりありません。すべてゴム部
分がだめになってしまい、見た目に怖いので使わなくなったものばかりです。
 これは、200Wタイプが150Wまでとヒーターの外寸全長が変わらない場合が多く放熱が比較的悪くなり、それでいて発熱量が大きいためではないかと推測しています。
その意味で言うと、最近好まれる長さが短いタイプのヒーターは耐久性においてはあまりお勧めできないということになります。 

●設置について

・水の流れのできるだけ良いところに

 ヒーターの寿命は、高温状態が続いて劣化してしまうために起きます。そのため、できるだけ水のよく通う場所に設置した方が寿命が長くなることが推測されます。
そのため、見た目のために砂に埋めてしまうようなことは止めましょう。また、ガラス面の至近におくのも危険なので避けましょう。
 実はヒーターカバーは、水がよく流れているところではもちろん良いのですが、流れのわるいところにさらにカバーを用いているとヒーター自身の放熱にはあまりよくないと思
われます。別に難しく考えなくても良いのですが、とりあえず上に何もかぶせず、ガラスよりは僅かでも内側にセットしておきましょう。

・生体への接触危険

 なぜか昔、淡水魚ではプレコがヒーターに口を貼り付けたまま死んでいたことが何度かあります。海水魚では一番被害にあうのはイソギンチャクです。
これらを飼育するときは、飼育スペースにヒーターが無く、別層で使用するのが一番ですが、同じ水槽の場合は安全を優先してヒーターカバーを用い、さらに荒い岩で覆うように
しておく必要があります。(ヒーターカバーだけではイソギンはだめです。)

●気温が最低10℃以上の環境での必要量の目安

 ヒーターの容量には、確かに少し余裕があった方がパワー的に余裕があるとはいいますものの、上記でも記述しましたように150Wで足りるところ、なまじ200Wを用いたた
めにかえって早くに切れてしまうということもありえますので、必ずしも高出力にしておけば良いとは限りません。複数で用いると安全ではありますが、その際は数ヶ月に一回
くらい、またなにか水温が低い場合はヒーターが働いているか確認しましょう。(動いていると、ランプのつくもの、またヒーター表面から水中でモヤモヤと湯が沸くのがみえま
す。)

最低気温(室内)が10℃以上の時

水槽サイズ

一般に必要と言われるW数 (当方の経験で)最低限、あれば足りるW数
30*18.5*22cm 50W 50W
45*30*30cm 100W 80〜100W
60*30*36cm 150W 100W
60*45*45cm 200W〜300W 150W
90*45*45cm 300W〜500W 200W
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オゾナイザー 2010/8/30初掲載 (2013/5/12改定済み)

このほど、BL6の内容も含めまして、オゾナイザーに対する所見がほぼまとまりましたため、まとめて整理・更新させていただきます。

※当方で記事のもとになりましたのは、アデックスL-75という機器によるものです。

オゾナイザー/オゾンの概要

 オゾナイザーとは、オゾン(O3)を発生させる機器です。オゾンは、これを水中になんらかの方法でエアーレーションを行うことで殺菌・殺虫・脱色・脱臭などを行うことができ
ます。また、オゾンは白点虫を殺虫できることがほぼ確認されていますが、使用・エアーレーションの方法によってその効果・効率が大きく変動するため、効果的な方法で使
使しなければなかなか実用的な効果を出すことができないようです。
 また、当方自身も以前まで誤解していたのですが、オゾンは水に溶けません。ゆえに、オゾンを含んだ気泡が水中にある時間が、オゾンの効果を出せるということになります。
(ただ、オゾンを作用させることで水中に二次的に発生する可能性のあるオキシダントなどは、溶解している状態で存在する可能性はあります。)
一般的な使用法では、プロテインスキマーでのエアーレーションとして使用したり、また濾過槽の最後の部分などでエアーレーションとして使用します。
 1台の機械で、エアーをいくつにも分岐させて使用できることもオゾンの有利点で、沢山水槽があるときでも使用できます。

生体への影響

 オゾンは硝酸塩がある程度たまった、また有機物の多い海水では非常に早く消えてしまうため、ほとんど問題にはならないようですが、酸化還元電
位の高い水
またはあまりにきれいな水ではオゾンが水中にも残りやすく、有害になるようです。(酸化還元電位を用いた測定は、BL6号で実験を行いました。)
 オゾン自身が生体や魚に及ぼす害について調べるため、当方では生体を飼育している水槽で直接オゾンをエアーレーションすることを種々の生体で試みてみました。
こちらの水槽では、魚類や多くの無脊椎動物水槽の端で2〜3ヶ月間直接エアーレーションを行っても、ほとんど害がないように思えました。ただ、魚の色が種類によって少し
 浅くなるように思えたものがありました。
 サンゴ類、特にイソギンチャク類や近縁のディスクコーラルなどは、明らかに状態が向上し、オゾンを好んでいるかのように思えるほどです。
 逆に、悪い影響と思えた生体では、まずミドリイシ類があまり好んでいないようで、少し開きが悪くなったというご報告もいただきました。またナマコ類の多くがあきらかに異常
を呈し、頭部の花のような器官をが全開にして、死んでしまいました。また、キサンゴ類も開き方がおかしくなるなどの症状が見られました。 
 これらには、同じ水槽内で噴射することは避けた方が良いと思われます。

 他、直接噴射している水槽では、以下のように600L水槽*2個で約半年間、直接水中で噴射した飼育(ベラ、ハゼ、ハナダイ、ヤッコ、ハギ、チョウチョウウオなど計約30匹)
程度)を行いましたが、それが原因とみられる死亡した魚は見られませんでした。ただ、ヤッコ類の頭部などに、色が抜けたような状態がしばしば見られ、オゾンによる影響か
もしれないと考えております。(現在はスキマーでの使用に切り替えており、徐々に回復しつつある固体もいるようです。以下の写真は、BL5号にも掲載したものです。)
 引き続き、判明したことを当ページ、またBLで掲載したいと思います。

なお、いずれにしても使用を行う際は、弱めの設定からスタートし(L-75なら、ダイヤル4程度)から使用を行い、最初はよく観察しておきましょう。 


画像左:実験している水槽180*60*60cm 2基です。 画像右:矢印の先が、オゾンを噴射しているストーンです。この状態で約半年間、飼育を行いました。

魚類に短期的な悪影響が出ている場合の症状

 オゾンが魚に有害な状態になっている場合、魚はエラの動きが早く、荒くなり、食欲がなくなります。この場合、すぐにオゾンを弱めれば症状は回復します。
 対処が遅れるとと死んでしまいますので設置直後だけはよくみておき、早急に対処、調製しましょう。
 
こういう症状が、起きる場合と起きない場合があり、水量の関係だけでもないらしく、なかなかはっきりとしません。160L程度の水量で局所的に使用した場合でも症状が発
 生したことがあります。

薬品との併用は避ける

 薬品との弊害もあるらしく、当方では魚類在庫水槽ではオゾンとグリーンFゴールドを併用したところ、原因不明の死亡を示す魚類が全体の5〜10パーセント程度みられまし
た。前日までなんともないのに、フラフラと急にしだし死んでしまうという症状です。
 この時の環境は、低比重(ディープシックス比重計で1.014程度、さらにグリーンFゴールド(以下、GFG)顆粒を使用)で、オゾナイザーを濾過槽の最後の部分でエアーレーシ
ョンによって使用しており、オゾンの気泡は飼育水槽の水中に帰らないように極力注意をしているつもりですが、大小約50匹の魚を収容していた際、前日にオゾンのレベルを
少しあげると、1〜3匹程度の魚が死んでいた事が数回あります。これは、GFGとの併用による弊害かもしれません。当方がマリンスクエアで使用を行っていたとき、このような
死亡はありませんでした。
 またオゾンを使用しますと、有害なオキシダントの発生の恐れがあります。(ただし、このオキシダントも殺菌効果があります。)仮にこの影響であったとして、これがいつ、
どのような加減で発生しているかまだ分からないのですが、一旦安定していたらオゾンの発生レベルをあまりいじらない方が良いでしょう。

白点虫の駆虫として使う場合

 オゾンを使用する目的で、黄ばみ除去・脱臭・細菌の除去だけの目的なら、さしあたり上記の一般的な方法で目に見えた効果を実感できます。(副作用は除きます。)

ただ、白点虫の駆除はかなり効果的な使用法でなければ駆除効果は期待できません。また、”強い抑制効果”というべき効果であり、病気発生後、オゾンによって押さえ込ん
でいる状態で、オゾンを外せばすぐに再発してしまうような状況もよくあります。
 当店ではマリンスクエア会場時、L-75を1台をフルパワーで使用し、合計3000Lのシステムで白点病がやや発生しつつ、ぎりぎり抑えられている状態を確認しました。
白点病対策として使用するには、オゾンを細かな気泡にし、多くの水と接触させる必要があります。

細かな治療経過はBL6に記述いたしましたのでこちらでは省きますが、下記のいずれかの方法で白点病の治療効果が見られました。

 方法1:ベンチュリースキマー、ディスパーセレイタースキマー※で使用する。

  ベンチュリー式スキマーの場合、循環量の関係もあり、もし循環量が少ないようでしたら、オゾンの効き目もそれに限定されてしまいます。
 (水流が少なければ水流を加えてスキマーに回る水を効率よくするのも手段です。)
 ※ディスパーセレイタースキマーでの使用は、インペラ・本体がオゾンによって劣化していないか1ヶ月に1回は確認をお勧めします。

 方法2:水が激しく混ざる場所にできるだけ細かなエアーレーションを行う。

  こちらはエアーレーションで行う方法です。エアーは細かい方がよく、水中に長時間オゾンが舞っている状態が有効と考えられます。
 ストーンはできるだけ細かな泡がたつものが良いのですが、ウッドストーンでは短期間で腐食を起こしてしまうため、セラミックの高級なものの方がいいでしょう。
 (レイシーのストーン、スドーのバブルメイトシリーズがお勧めです。)
  一箇所で効果が出しにくい場合、別途エアーを分岐し、複数箇所にセットすると 効果が増大する可能性があります。設置ポイントは、水が激しく動くところで下記のようなと
 ころがお勧めです。

  ・OFパイプの外カバーの内側でエアーレションさせますと、エアーとともに OF管に吸い込まれ、落下したろ過層内で混合されます。
  ・OFのポンプが吸い込む貯水スペースで、PHで水流を起こして撹拌するのも方法です

 補足

  上記方法1、2に共通して、オゾンによる殺虫は殺菌灯と同じく、特定の器具を通過した水だけを殺虫する効果であるため、白点虫を効率よく殺虫場所に運ばなければ効果
 はなかなか発揮できません。そのため、殺虫場所の循環をよくし、また水槽内にもよく水流を起こす必要があります。

ウーディニウム病 駆除には殺菌灯の方が明らかに有利

 ウーディニウム病への効果の検証をBL6で行いましたところ、100Lの水量に本器1台でサクラスキマーで使用したところ初期の発生程度には抑える作用があることがわか
りましたが、一度蔓延するととても対抗できませんでした。しかしこの場合も、およびこれまでの事例でいずれの場合も殺菌灯を用いれば確実に治癒することがわかり、ウーデ
ィニウム病には殺菌灯を用いた方が効果的であると言えます。なお、当方では約1300Lの水量に、クマノミ類が30匹以上いる水槽で蔓延した本病気を、36Wの殺菌灯で治癒
させることができました。 

オゾンによる器具の劣化について

 オゾンは触れたものを少しづつ劣化・腐食させます。顕著なものは特にオゾンのエアーが直接通過するエアチューブ、分岐パーツなどです。他、特に水没しているエアーチュー
ブは大幅に劣化します。しかし、水中にある器具で、水と混合された状態でオゾンと触れ合うプラスチック製の器具、ゴムなどにはあまり劣化が見られませんが、サクラスキマー
に使用した排水部のスポンジはすぐに劣化が見られました。

・エアーチューブ

  オゾンを通気しているエアーチューブのうち、空気中にある部分はそれほど早くに劣化をしません。しかし、水に漬け込んだ部分は急速に劣化します。現象としては、膨張し
、さらに硬化してきます。

 

スポンジフィルター

  写真は、サクラスキマーに使用していたスポンジフィルターです。これの劣化は非常に早く、1ヶ月程度で写真のように穴があいてしまいました。

 ・サクラスキマーでの、オゾン併用によるスキマー、およびRIO400(RIO800のインペラを装着)の劣化具合のご報告 (追記 2008/10/18)

 当方では、2008年5月初頭より、サクラスキマーにてオゾナイザー(アデックスさんのL-75)を接続し、白点病・ウーディニウム病の駆除実験をかねて、スキマー、およびRIO
 パワーヘッドの劣化具合を調べており、以下にご報告いたします。(決して併用をお勧めしているわけではなく、オゾンを併用した際、どのような劣化現象がおきるかの実験
 ですので、併用は避けていただきますよう、お願いいたします。)

 ・RIOパワーヘッド各所の確認(新品との比較)

  各所、比較を行ってみましたが、意外にも劣化はほとんど見られませんでした。
  まず本体は、内部のプラスチックの”つや”がなくなっており、他は変形・劣化とも見られず、インペラ(※この間、メーカーさんのモデルチェンジがあり、形状が少し変わって
  います。)も、前後のシャフトのゴムキャップ、細かなペラ部分などの強度、弾力性を確かめてみましたが、劣化している様子は得にみられず、破損なども皆無です。
  意外でしたのは、インペラを保護するためのゴム製のパッキンで、これは海水では通常の使用法で使用していても1〜2年で劣化してしまう部分ですが
  、これも外観は劣化が見られず、ただ指でこするとゴムが劣化した黒い汚れがつきました。以下、写真になります。
  

本体


(白い点のようなものゴカイなどの寄生生物です。)

インペラ

インペラを保護しているカバー及びパッキン

 ポンプは、オゾンを併用したことで特別早い劣化がみられるようには思われませんでした。
 ゴム部分は、殺菌されることでかえって細菌による腐食を免れ、長持ちする可能も考えてられます。

当店が使用使ったアデックスさんの L-75のご報告

 当店では、オゾナイザーは上記の機器しか使ったことがありません。ですがデータ上ではリーズナブルかつ、オゾン発生量が極めて多いもののひとつだと思います。
通常、オゾン発生装置は発生量を調整するものが多いですが、本機は間欠式のタイマー制御で稼働時間5分に対して停止時間を設定する機構になっています。すなわち、働
いているときはフルパワーで、停止しているときは完全停止になります。オゾンは、特に白点虫に対してはエアーの中のオゾン濃度が殺せる濃度と殺せない濃度の境目があ
ると思われ、その意味ではこの機構が適しているのではと思います。
本機の効果とパワー、価格の点での素晴らしさもさることながら、アデックスさんは説明書にオゾン管の手入れ方法まで記載されておられ、購入者がオゾン管を少しでも長く使
用できるように配慮されています。

オゾン発生中で通気停止には要注意(2013/1/28追記 2014年12月9日訂正

オゾナイザーが作動している時、接続しているエアーポンプを停止させたりしているとオゾナイザー内部のオゾン管が痛んでしまいます。短時間なら大丈夫ですが、当方でまる
1日そうなってしまったものは、下の写真のように金属部が茶色に変色し、まったくオゾンが発生しなくなってしまいました。本体は大丈夫で、管を交換すると無事に発生しまし
た。どうかご注意下さい。 ]
 
誠にすみません。以下、訂正させていただきます。
 メーカー・アデックスさんに問い合わせましたところ、2014年12月現在、本体製品販売時に装着されているオゾン管は、下の画像左のものと同じ、茶色(銅箔が貼られた)
のオゾン管が装着されており、交換用オゾン管としては、右側の銀色のステンレス箔を貼られたものが販売されているということでございました。すなわち、色の違いは異常で
はないということでございました。

 

その他、周辺機器について(2015年10月16日補足)

・エアドライヤーは必要か

  オゾンは空気が乾燥しているほど発生が効率がよいとされ、空気を乾燥させるエアドライヤー(中にシリカゲルが入ったもの)がありますが、
ただ、通常L-75用オゾナイザーでは、なくても普通は問題なく作用します。当店でも、エアドライヤーは使ったことはありません。

・活性炭は必要か

 オゾンが水中に出ることをふせぐため、オゾンを通記した水を一端活性炭に通して、飼育水槽に返すことが有効とされますが、こちらも、通常は必要を感じたことがありません。
過去、活性炭を通したこともございましたが、特段、差異は見受けられませんでした。

・酸化還元電位計(レドックスメーター)による制御が必要か
 

 オゾンの発生を調整する器具として、酸化還元電位からコントロールする方法があります。ただ、実際にはこれも必要を感じたことがありません。
また、魚がオゾンに対して反応を見るようにするほうが重要と考えております。オゾンが強すぎる(同じ噴出量でも、直接的に触れたり、近い場所にある
場合など)と、エラ呼吸が荒くなったりしますので、その際は早急に弱めます。

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プロテインスキマー(主に設置の意義について)追記 2012年12月31日一部訂正

 当店でサクラスキマーを発売してから、「安価なのでつけてみたいが、はたして自分の水槽にスキマーを設置すべきかどうか悩んでいます。」といったお問い合わせが増えて
おります。そこで、このような項目を設けてみました。これはどの方式のスキマーが良いとか、強力であるか否か、というお話ではなく設置するべきか否か、という根本的な疑
問についてです。ご購入のご検討の参考になりましたら幸いです。

使用の意義

 まず必要か、不要かと聞かれましたら”不要である場合が多い”と思います。といいますのは、今まで使用せずになんら支障がなかった水槽なら、設置して”より良い”というこ
とで”必須”では無いと考えるためです。また、魚やサンゴがよく死亡している水槽にスキマーを設置したからといって直接的に目に見えて改善される場合は多くありません。
 あらためて整理をしてみますと、まずミドリイシ以外のサンゴをメインに飼育したい、という目的の水槽の場合ほとんど設置をお勧めする場合はありません。もし還元ろ過が無か
ったらスキマーを使用して少しでも硝酸塩の上昇を抑えなければいけないという事になりますが、還元ろ過で硝酸塩の除去がすでに容易であり、またもうひとつの栄養塩である
リン酸塩は、ミドリイシ以外のサンゴにはむしろあった方が良いということが明白に分かってき、サンゴ水槽でも物理・生物的ろ過は重要であるという当方の見解では、汚れの発
生の少ないサンゴ水槽では物理的なゴミを積極的にスキマーに除去させる必要性も余り無く、また微量成分を取り除いてしまう分とくに設置する必要はないだろうという結論に
達しております。
 ただ、それ以外で有効に使用できる、あるいはスキマーでなければ出来ないというような場合を以下に列挙してみました。

有効に使用できる使い道

・ベルリン式

 ベルリン式は、スキマーが”有機物除去装置”としてメインの水質維持装置になります。ゆえに必須のものです。ベルリン式はミドリイシなどSPS類の飼育に大変特化している
方法であるというのが、当方の見解です。ミドリイシに対するリン酸塩の存在は、少しはあった方が良い場合も考えられますが、色揚げなどの点も考慮し、また実際に飼育され
ている方々の水槽のデータを頂きますに、飼育上は一応、完全に無い状態を維持することが良いだろうという当たりを考えております。こういった水槽の場合、ベルリン式はリン
酸塩の濃度を低濃度に保ちやすいという利点では、他の追従を許しません。砂を使用していないことが最大の理由と思います。
 そしてベルリン式の場合は、”すべての汚れをスキマーへ運ぶ”という目的がありますので、スキマーの効果を最大限に生かすことが出来る飼育方法と考えます。

・オゾンミキサーとして

 当店でオゾンを使用する主な場合と意義は”白点病にかかりやすい魚を薬品治療が出来ない水槽(無脊椎水槽)で飼育する”事ですので、このような場合はオゾンを使用する
事が必要・有効と言えると思います。
 白点病に対する種々実験を行っておりますところ、オゾンは白点虫を駆虫できることが分かってきましたが、これはよほどオゾンを有効に使用したときのみです。
オゾンは使用方法で効き目が如何様にも変化します。 以下のオゾナイザーの項目に記述しておりますように、微細な気泡を水中に長時間滞留させ、また多くの水と接触させ
る方法が有効であり、このオゾンミキサーとしてのスキマーを利用は、有効というより白点対策のためには必須の場合もあると思います。ただし、スキマーはオゾンによって早
期に劣化するものが多いため、各スキマーの対応・未対応を確認し、各パーツの劣化・メンテナンスに気を配る
必要がります。

ご報告:下記オゾナイザーの項目でも掲載しておりますが、サクラスキマーの使用では、さしあたり1年間程度の使用では大きな劣化は見られませんでした。
     ただ、仮にオゾンを使用していなくてもRIO800は数年で劣化するものですので、あくまでご参考程度に願います。

・魚水槽での物理ろ過の補助として

 エサを多量に食べる魚が多い水槽の場合、物理ろ過器を短期間に清掃が必要になる場合、また清掃の手間は良いとしてもそれを行うことでろ過機のバランスが崩れてしまうよ
うな構造のフィルターの場合など(単層式の上部フィルターなど)、は少しでも物理フィルターの負担を軽くするためにスキマーを設置することは有効と考えられます。
 ただ、これはあくまで補助であって、いずれろかきの清掃は必要になりますので、出来るだけフィルター自体の構造を重視し、清掃してもバランスが崩れないような構造(魚飼育
ガイド
ろ過システムの追加事項・簡単な改造をご参照下さい。)になっていることが最優先であると思います。
 硝酸塩のことだけを考えれば、還元ろ過を増強すればよいだけのことですので、スキマーの設置より還元ろ過BOXなどを使用した方が価格も設置の容易さも勝っていると思い
ます。気分的には、有機物をできるだけ早い段階で除去してしまい、わざわざ硝酸塩にいちどしてから還元で除去するより良いという気もしますが、
実際、小さな水槽に上部フィルターと一緒にスキマーを併設することはスペース的、景観的にも難しかったり無理である場合もあります。

 


人工海水 (2013年5月 改定済み)

 海水魚を飼育する際の、人工海水の選択についてです。魚とサンゴ(無脊椎)では選択のポイントが違いますので以下に当店の知りうる情報を掲載します。
外国製のものはメーカーによって個体差が大きいものがあり、できるだけ名の通ったもの、国産、国内メーカーの人工海水をお勧めします。

・魚(また、ソフトコーラル、サンゴ以外の無脊椎動物)を飼育する場合

 魚を飼育する場合、さしあたってどの人工海水でも飼育は可能だと思います。製品によって特別に注目すべき必要な微量成分の項目というものもありません。
したがって、安価なものでいいと思います。
ただ、天然海水中には0.05ppm程度のヨウ素が含まれており、水槽内では1〜3日でなくなってしまいます。これを成分として含んでいる人工海水があり、久しくヨウ素の無い
海水で飼育されてきた魚を、このような人工海水で全水量の3分の1程度以上の水換えすると、12時間以内に特にチョウチョウウオ、ヤッコ、ハギ、タツノオトシゴなどの魚が
死亡することがあります。
 これは非常に危険なことで、最近まで分からなかったことですが確実です。(普段からヨウ素を添加し、徐々に濃度を上げていけば天然海水の濃度の5倍でも耐えうることを
確認しております)
 ヨウ素が人工海水に含まれていること自体は当然なことであり、むしろ必要なものなのですが、水槽という特殊な環境での諸刃の剣というところです。
 ただ、最近はメーカーさんもこれに気付いており、徐々にヨウ素の含有量を抑え目にしているという情報もあります。

・サンゴ(主にハードコーラル)を飼育する場合

 人工海水の選択は、もし主に水換えを頻繁に行ってサンゴを飼うのであれば、サンゴ用に製造されているできるだけ高品位、多種類の成分が入ったものをお勧めしますが、
還元ろ過、ナチュラルシステムなど水替えをあまりしない飼育では、減少してくる成分を補給するために定期的に添加する添加剤の方がむしろ重要になってきます。
 サンゴを飼育する際はできるだけ成分が豊富なもので、特にカルシウムイオン濃度が400〜500ppm、KH値10〜15程度あるものがお勧めです。
安価だからといって必ずしも成分が乏しいわけではありません。銘柄は、各お店のお勧め銘柄でよいと思います。 

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比重計 (2013年5月 改定済み)

・比重計は機種によって差異(誤差)があり、しかも時間で劣化します。

 一般的な鑑賞魚用比重計にはかなり誤差・差異があります。しかし、一流メーカーのものであれば同じ製品での誤差は少なく、あらかじめメーカー間の誤差範囲だけを知って
いれば十分に使用できます。これら安価な測定器具で高い精度を出すことは非常に難しく、実際に正確な値を測定できる実験用のガラスのボーメ計などは非常に高価な上、
扱いに注意しなければ簡単に折れてしまう形状をしています。その意味では、観賞用製品は、価格的にも使用時にも大変扱いやすい製品であるといえると思います。
 以下の写真は、数社の発売されているもの、と、いくつかは同じ比重計を2年ほど使用したものを当方の人工海水40g※を溶解した1Lの海水水温24-25℃を測定したもの
です。(測定日 2007年11月)
 ※人工海水の素は、幾分吸湿しているため純粋な塩分ではありません。本来、比重計の測定実験は、純粋な塩化ナトリウムで行うべきかと思います。

写真は、左から@スプリームアクアハイドロメーター、Aマツダ エンジェルテスト、Bアクアリウムシステムズ製インスタントオーシャン比重計の新品、C同品の約2年使用、
Dコーラルライフ製ディープシックス比重計の新品、E旧コーラルライフ製ディープシックス比重計(約2年使用) Fコーラルライフ製ディープシックス比重計(約2年使用)
です。
 

以下は上記写真の拡大です。


@スプリーム アクアハイドロメーター:1.023(ほぼ新品)
 
インスタントオーシャン比重計 (B左:約2年使用 1.024  C右:新品1.0255) 


Aマツダエンジェルテスト 値:1.0195
(使用開始は2年半前ですが、ほとんど使用せず)

コーラルライフ製ディープシックス比重計 双方、約1年使用ただし、新型の方を多用しておりました。
D左:(新型新品)1.0222  E中央:(旧型2年使用)1.0215  F右:(新型2年使用)1.0212

 昨今は、D、E、Fのディープシックスを使用されている方が多く、本ページでは特に器具の名前の記述のない場合は原則としてこの機種での値とさせていただきます。
 (以前は、B、Cのインスタントオーシャンを基準として説明させて頂いておりました。)

古くなったものはお酢やクエン酸水溶液に浸すと精度がやや回復します。また、2年に1回は新品を購入し、古いものは公正して読みましょう。

 比重計も使うと劣化してきます。特に針の根元の軸受けの部分がすり減ってくると引っかかってしまって正確な値が出にくくなるようです。また、全体的に値が低めにでてくる
ようになるようです。磨耗は回復できませんがカルシウムやタンパク質が付着したことによって測定精度が落ちているものは回復させることができます。
 比重計の説明書にも方法が解説されているものもありますが、5倍に希釈したお酢や、クエン酸をスプーンに軽く1杯溶いた50ml程度の水溶液を本体に入れ、一晩置いて
から洗い流すとかなり回復するようです。
 その上で、2年に1回は同機種の新品と比較してあわせて公正することをお勧めします。
 比重計が痛む時期の目安ですが、私は比重計本体にプリント印刷されている文字が消えかかってきたら、これはあきらかによく使っている証拠ですので買い替えの時期と
することにしています。^^

その他ご注意(追記2008・1・7)

 比重計で測定を行います際、針の部分に泡がつくことがよくあり、また新品は非常につきやすく、泡を取るのに結構苦労することもあります。これはまず試験水を入れる際に水
をゆっくりと入れてできるだけ泡が針につかないようにすること、そして付いてしまった泡は水を入れたまま比重計をコンコンとかるくたたきつけたり、割り箸を差し込んでまぜて
泡を取るなどして、とにかく針についている泡を取ってしまわないと正確な値が出ませんのでご注意ください。
 また、気温と本体の温度でも多少の影響があるため、寒い時期は予め水槽のどこかに1分ほど漬け込んでから測定を行った方が良いようです。

2012年の主な機種の測定記録

各機種の特徴

 記は、4種の比重計で同じ海水を測定したものです。 左から、下記番号で@、A、B、Cの順です。

 @コーラルライフディープシックス比重計               :
1.0211.022 ※
 A新インスタントオーシャン比重計                  :
1.0263   
 Bテトラハイドロメーター
                          :1.0225 
 C旧インスタントオーシャン比重計(現在のテトラと外観は同形
 1.0231.024 ※

※上記@、Cは個体が古いため、やや不正確と思われます。

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殺菌灯

・殺菌灯とは

 観賞魚における殺菌灯器具は、紫外線を発生する蛍光灯のランプが内部に入っており、その至近に飼育水を通過させることで、飼育水を殺菌しようというものです。
使用は飼育に必須ではなく、魚はろ過器が生物的・物理的に安定した状態であれば、これら殺菌器具が無くても十分に飼育できるものであり、本来は使わなければ飼育できな
いというような状況はできるだけ避けるべきであると考えます。ただ、困ったときに役立つ面も多々発見しましたので以下に現在わかっていることをまとめてご報告するものです。


器具の中の紫外線ランプ
※殺菌ランプの光を直接見たり、肌に当たると有害ですので避けましょう


・細菌除去には効果覿面。ただし、常時の使用は魚の免疫力を弱める。

 機関紙BL4号にも記載をしておりますが、水中のウイルス、細菌の除去にはかなり効果的で、水の透明度が上がったことを実感できるくらいです。
また、黄ばみの除去もある程度効果があります。ろ過の安定後もですが、まだろ過機が安定していない時期などに、水中に増える細菌を殺すのにも役立ちのでと思われます。
 しかし、細菌の極端に少ない綺麗な海水で長期間飼育された魚は、粘膜の機能が低下してしまい細菌病に対する抵抗力が確実に弱くなっているようです。
 殺菌灯を使用してうまく飼育ができており、はずしたとたんに、あるいはランプが切れたとたんに病気が出てきた、という現象はこれにも起因していると思われます。ここから、
「殺菌灯が無ければ飼育が不可能」という考えも出てきたのではないかと思われます。
 できれば、ろ過システムの安定後には殺菌灯にタイマーなどを利用して使用時間を制限し、魚をある程度は細菌にならして粘膜を鍛えておく、という事も有効なのではと考え
ます。 

・ウーディニウム病虫も、W数によっては殺せるようです。

 当方主催の室内水族館マリンスクエアで、クマノミの合計1300Lの連結したシステム水槽にウーディウム病が蔓延して非常に困ったとき、カミハタターボツイスト36Wを使
用したところ、徐徐に収まり、最終的に治癒させることができました。ウーディニウム虫は白点虫の10分の1程度の大きさのため、殺菌灯が効きやすい可能性もあるとおもわ
れます。
このときのポンプは、サンソー1561Bで、毎分50L以上は通水していたと思われます。
 しかし、他の方にうかがったところ、同じターボツイストでも9W,18Wのタイプではウーディニウムを駆除・治癒できなかったというというご連絡もあり、やはりこれは飼育水
の水量より、ポンプの流量、殺菌灯のW数と、器具を通過する時間に大きな差異・関係があるように思います。

普通の使い方では、白点病への効果は皆無 予防も期待できない

 これも、機関紙BL4〜6号にも記載をしておりますが、こちらで50Lの水槽に36Wのカミハタターボツイストを接続し、中程度の羅病した3匹程度のヤッコ、チョウチョウウオを治
療できるかという実験を行ってみましたが、断念ながら結果は失敗で、病気は進行し、魚は死亡しました。
 以前、顕微鏡で観察実験を行ったところ、0.05mm程度の白点虫を殺菌灯で殺すには2〜3分の時間が必要でありましたが、通常の殺菌灯器具は飼育水が通過する時間
は数秒〜5秒ですので、殺虫できている可能性は残念ながら低い様です。
 ただし、白点虫は、水質や水温・比重によってその大きさ・シストからの分列数にきわめて大きな差があり、通常、水温が高いと仔虫が小さく、数多くなり、低いとその逆に
なるとされています。そのため、仔虫が小さいときは効果的に効いている可能性は否定できません。(夏場の白点にだけ、殺菌灯がよく効いたという話がないかどうか、情報
をあつめたいと思いますが、なかなかこういうデータは集まりにくいです。)
また、つねに魚がウイルスや細菌に犯されないようにしておくということは、粘膜の異常や荒れている部分に極めて寄生しやすい白点虫を結果的に予防しているという事もい
えると思います。殺菌灯が白点に効くか効かないか、この点は殺菌灯の有効性を決定する大きなポイントであり、まだ断定はできかねると思います。

(参考文献:魚の病気と治療法昭和50年5月1日6版 緑書房 発行人:中村利一)

・どれくらいのW数をどうえらぶか

 上記の内容とも重複しますが、これまで当方の実験、そしてアキュリさんほか友好店さんやお客様から得た情報を全体的に統合しますと、殺菌灯は「水量にたいして何Wよ
り、W数そのもの」で効果が決まるという事を、私も実感しております。30W程度までですと、黄ばみ・ウイルス・細菌除去作用のみが期待でき、さらに36W、40Wなどがウ
ーディニウムなどの予防・治療(白点もわずかに予防?)の効果がでてくるようです。

・どのような水槽で使用すると特に有効か

  薬品の使えない無脊椎水槽や、薬品を使わない、使いたくない水槽でウーディニウム病にかかってしまうような魚(ヤッコ、チョウチョウウオ、ハギ、またクマノミやスズメダイ
の仲間なども案外罹りやすいです)を特に多めに飼育するとき、その予防と治療には有効だと思います。(ただ、まだ白点病の問題は残ります。)
 また、水温上昇による温度管理が出来るなら、どのような水槽でもつけていれば確かに細菌性の疾病には罹りにくくなります。また、藻類やコケの発生が幾分抑えられます。
 通常のように魚飼育水槽で薬品治療で対応するか、もともと病気に罹らない魚なら、殺菌灯の設置は決して必須ではありません。
また、使用しているといわば無菌室に近いような水質で飼育することになるため、使用時間をタイマーなどで調節して、魚自体の免疫力もできるだけ鍛えておきたいところです。

 

・その他のメリット・デメリット・対策

・まず、デメリットは、設置するためにそれようのホースや配管が必要なこと、それと水温が確実に1〜2℃は上昇してしまうことです。
 結果的に、クーラーが必要になってしまうことがより多くなるでしょう
・循環ポンプなどと接続していますと、あきらかに抵抗・負担になりますので流量が減ってしまいます。そのためにはパイプを分岐させて殺菌灯専用の水の回路を用意したほう
 が結果的な水量低下が防げることが多いでしょう。

・設置のポイント

殺菌灯が殺虫・殺菌するものは、細菌であり、また病原虫です。これらはどこに一番溜まっているのかといえば、通常は濾過槽(フィルター)
です。ですから本当は濾過槽から出てくる水に殺菌灯を使用して飼育水槽へ返すのが一番であると思われます。こういうとまるで濾過槽が病
気の元凶のようですが、これは全く逆で濾過槽が大半の病原中を溜め込んで水中から除去してくれているからこそ、結果的に水中の菌数が
減っており、そこからまだ出て水槽に帰ろうとする病原菌を殺菌灯で殺す、という考え方が正しいのではないかと思います。
ただ、濾過槽(ろか機)の安定が中途半端な時期は確かに水中に細菌を流出させて魚の病気を増やす原因であるとも言え、この時期も殺菌
灯の働きは大変効果的です。

右の写真は、小型水槽へ設置した例です。
殺菌灯を水槽の上に固定し、フィルターとは別のポンプを使用しています。