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(その他)無脊椎動物飼育図鑑 現在の写真付き掲載種類数:130種 

本ページは、当方が過去に実際に飼育した生物の飼育図鑑です。 訂正した文章の部分はピンク色の文字で記述しております。
種類確認等の参考文献: ・海水魚・海の無脊椎動物1000種図鑑/株式会社ピーシーズ ・「山渓フィールドブックス8 海辺の生きもの」/奥谷喬司/1994年
・「山渓フィールドブックス9 サンゴ礁の生きもの」/奥谷喬司/1994年 (写真は当店で撮影したものです。)
・学研生物図鑑海藻図鑑/千原光雄/1981年

更新履歴 

●索引(マーク)新種追加: 内容訂正:

 エビ(27) ヤドカリ(6) カニ(10) 海藻・海草(33)ナマコ(7) ウミウシ・アメフラシ等(3) ケヤリムシ・ゴカイ(9) 貝類(11) ヒトデの仲間(23) その他(9)  

●表の記号の見方

・餌付き

容易:水槽収容後、通常は2日程度で(魚類用などの)乾燥飼料を食べはじめる種です。
生餌:冷凍のアサリやアマエビなどを与えないと食べない種類です。
困難:特殊なエサや環境を与えないと食べない種です。

・性格・協調性

単なるケンカだけでなく、例えばイソギンチャクやサンゴの刺胞の接触による問題等も含んでいます。 

臆病:大変おとなしく、また物怖じ、気後れしてしまい、気の強い魚や大きな生き物との同居は避けた方が無難です。
普通:基本的に温和で、かつ物怖じもあまりせず、臆病・普通グループの一般的な種と混泳可能で同種の複数飼育がさしあたり可能ですが、大きさに差があるとケンカや苛めが
    起こりやすいです。
危険:他の生物を襲い、食べてしまう恐れのある種です。また人間にも危険性がある場合があります。
捕食:大人しい他魚に噛み付く恐れのある魚です。一般に性格が強いものが多いですが、サイズさえ大きければエサと思わず、混泳が可能です。
特殊:上記の分類で分けられないような種はこちらに分類します。

※上記の表示内でも、サイズが極端に小さいもの(4cm以内など)では、幾分おとなしい場合が多いため調整して閲覧願います。

水質的な敏感度(特に硝酸塩、pHの低下に対して)

丈夫:大変丈夫で、さしあたりろ過が安定していれば硝酸塩濃度も徐々に慣らしていけば100ppm程度までなら飼育できる種です。収容初期は50ppm以内が良い。
普通:やや敏感で、水質の変化にもやや弱く硝酸塩も50ppm程度までに抑えて飼育した方が良い。収容初期は25ppm以内が良い。
敏感:かなり敏感で、水質やpHの変化に特に弱く、硝酸塩も10ppm程度までに抑えて飼育した方が良い。

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●エビの仲間 
名前 写真 一般的な
サイズcm
(ヒゲは
含まず)
餌付き 性格 水質
敏感度
その他
アカシマモエビ

2-4

容易

普通

丈夫

ペパーミントシュリンプの類似、極近縁種で同様にカーリーを食べてくれます。
多くが国産のようです。

2016/11/18 追記 当店で実験しましたところ、ウミケムシを食べてくれる
ことがわかりました。(画像も食べているところを撮影し、差し替えました。)

アカシマモエビの

 近似種?

2-4

容易

普通

丈夫

2016/12/11
本種はアカシマモエビとして入荷したものですが、種類が違うようです。
どうやら、アカシマモエビとして入荷されるエビには数種あるらしく、ペパーミン
トシュリンプに酷似しているものも多いです。上のアカシマモエビの写真の固体
はもうすこし、模様に差異があるように見え、
左の固体の写真ののように縦筋の入っている種もあります。

アシナガモエビ

2-6

容易

大人
しい

普通

20211月より初めて入荷し、現在各試験をおこなっています。
サンゴモエビ同様に藻類を食べるエビで、ウミケムシも自ら捕まえて食べること
を数度目撃しました。(カーリーは食べないようです。)

 サンゴへの食害を試験したところ、
スギノキミドリイシ、ハナヅタブルー、ウミバラ(LPS)、マメスナには特に被害は
みられませんでした。
ハナガササンゴの腐食した部分を掃除して止める作用も確認しました。

アカスジモエビ

アカシマシラヒゲエビ

(スカンクシュリンプ)

4-6

容易

普通

丈夫

一般的なクリーナーシュリンプです。丈夫で飼い易いものです。
魚のエラの中も掃除してくれますが、ひつこいので嫌がられる
こともあります。

また、ポリプを長く伸ばすハードコーラル(特にハナガサ、コエダナガレハ
ナ、ナガレハナなど)の水槽では、踏みつけて開きを阻害してしまうので
、あまり入れない方がいいでしょう。

アオムネオトヒメエビ

3-5

容易

大人
しい

捕食

丈夫

オトヒメエビの仲間ですので、性格は強いはずですが、小さな個体が多く、
そのため大人しく敏感なものが多いです。
本種は複数飼育はペアになれたもの以外は不可能です。
動きは緩慢ですのでサンゴ水槽には向いています。
おなじオトヒメエビの仲間と一緒に飼育するのは難しいですが、
このサイズくらいの同種、またはキイロオトヒメエビとなら、スペースがあれ
ば一応可能です。
オオウチワエビ

5-6

容易

大人
しい

丈夫

●近海産のものは、水温は18〜22℃程度にしてやる必要があります。

熱帯産で輸入で入ってきたものと、近海で取れるものが双方あるようです。
性格はいたっておとなしく、エサもゆっくりと食べますので落ち着ける状態に
してやらないといけません。

オトヒメエビ

5-8

容易

捕食

丈夫

大きな個体が多く、また性格が荒く、小さなスズメダイなどを捕らえて食べて
しまうことがあります。複数飼育はペアになれたもの以外絶対だめです。
動きは緩慢ですのでサンゴ水槽には向いています。
キイロオトヒメエビ

3-5

容易

大人
しい

捕食

丈夫

オトヒメエビの仲間ですので、性格は強いはずですが、小さな個体が多く、
そのため大人しく敏感なものが多いです。
本種は複数飼育はペアになれたもの以外は不可能です。
動きは緩慢ですのでサンゴ水槽には向いています。
おなじオトヒメエビの仲間と一緒に飼育するのは難しいですが、
このサイズくらいの同種、またはアオムネオトヒメエビとなら、スペースがあれ
ば一応可能です。
ゴシキエビ

5-8

容易

大人
しい

捕食

丈夫

いわゆる伊勢海老などに近い仲間で、大きな個体が多いです。
性格はわりと大人しく、魚を捕食したことは経験がありませんが、可能性と
しては考えられます。

複数飼育は未確認です。
動きは緩慢で、おちつける場所でじっとしていることが多く、
意外にサンゴ水槽にも向いています。

サンゴモエビ

(フシウデサンゴモエビ)


2-6

容易

大人
しい

普通

藻類を除去してくれる有難いエビで、しかも大人しくサンゴ水槽の友です。
地味ですが、よくみると微細な模様があり、産地で色々なものがあります。
敏感といわれますが、実際には入荷状態に左右されており、トリートメント
をきちんと行えば丈夫です。
複数飼育は可能です。

2016/9/14追記

 通常、2〜3cmの個体が多いですが、稀に手も入れて5〜6cmもの大きな
個体が入荷することがあります。

なお、”フシウデサンゴモエビ”という種名が使われることが多いですが、図鑑
や分類学上では当方の調べたところ、見当たらず、”サンゴモエビ”という名前
のみが確認されました。
 

サラサエビ

3-4

容易

大人
しい

敏感

安価でごく一般的で、巷では丈夫といわれる本種ですが、実はかなり水質
変化に敏感です。水あわせを怠ると、翌日〜一週間の間に非常に高い確
率で死亡しますので注意しましょう。
複数飼育は可能です。
ショウグンエビ

5-8

容易

強い

丈夫

大きなテッポウエビの仲間です。性格
性格は強く、同じテッポウエビの仲間を攻撃して殺してしまうことがあります。
(同じサイズのヒノマルテッポウエビ等と入れると殺してしまう可能性大です。)
シロボシアカモエビ
(ホワイトソックス)

4-6

容易

普通

丈夫

本種もアカスジモエビと同じ一般種でクリーナーシュリンプですが、水槽内
ではあまりクリーニングをしないです。
体は少し大きなものが多いですが、動きも緩慢でサンゴにも害を与えず、
収容しやすいでしょう。
複数飼育はあまり多く入れるとケンカがおきますが、一応可能です。
セミエビ(近海)

5-6

容易

大人
しい

普通

●近海産につき、水温は18〜22℃程度にしてやる必要があります。

複数飼育は可能です。

ソリハシコモンエビ 2-3

容易

大人
しい

普通

いわゆる透明系のエビです。クリーナーも行うものです。

スズメダイやチョウチョウウオ、大きなヤッコなど、大きく
捕食性の強い生き物に食べられてしまう恐れがありますので注意しましょ
う。

ハードコーラル水槽が最適です。

ニシキテッポウエビ

2-3

容易

普通

丈夫

底棲性のハゼと共生するエビです。
砂に穴を掘って巣穴として暮らします。
パチパチと手を鳴らして威嚇します。水槽の外からでもよく聞こえます。
この小さな手で驚くほど大きな音を出します。
水質面では大変丈夫で、もう居ないと思っていても掃除や水槽をたたむ
時にひょっこり出てくることがあります。
複数飼育は可能ですが、せまいスペースに入れると片方を殺してしまいます。
ニセアカホシカクレエビ 2-3

容易

大人
しい

普通

いわゆる透明系のエビです。

スズメダイやチョウチョウウオ、大きなヤッコなど、大きく
捕食性の強い生き物に食べられてしまう恐れがありますので注意しましょ
う。

ハードコーラル水槽が最適です。

ハコエビ 40-50 困難 不明 困難 ●深い海に棲む種のため水温は16〜18℃程度にする必要があります。

深い海に住み、稀に刺し網などで揚る「幻のエビ」といわれるエビです。
敵がくると、前に出ているツノのような2本の強いヒゲを「バン!」と挟み込むよ
うにして攻撃します。人間でも危険です。

本個体は2007年にアクアマリンズさんより、
マリンスクエア開店のお祝いとして頂いたものでした。
残念ながら最初、イカの切り身を最初は食べてくれたのですが、
後に食べなくなり、約2ヶ月で息絶えてしまいました。

バブルシュリンプ?

3-4

容易

大人
しい

普通

下記、マーブルサロンシュリンプと混ざってくることがあった
種です。サンゴモエビの近縁のようにも見えます。
複数飼育は可能です。
パープルロブスター

5-8

容易

普通

丈夫

すこし大きなエビの仲間です。
性格は普通で特に他のエビを襲うこともすくなく、
近い属のショウグンエビには負けてしまいますので、注意が必要です。
ヒノマルテッポウエビ

5-8

容易

普通

丈夫

大きなテッポウエビの仲間です。
性格は普通でそれほど強くはなく、他のエビとも一緒にいれやすいです。
フリソデエビ

3-4

特殊

大人
しい

普通

ヒトデだけを食べる特殊なエビです。他のものは一切食べません。
飼育のためには、安価なコブヒトデ等を与え続ける必要があります。
フリソデエビを2匹程度は一度に飼育しないと、4〜5cmのコブヒトデを中途半
端に食べて大部分を腐らせて死なせてしまいます。

コブヒトデは冷凍しておいて与えることも出来ますが、
 本格的に飼育する場合は、コブヒトデを別スペースで多めに飼育し、
少しかじらせては他の個体と交換して、回復させながら飼育するように
するとコスト的に安くなります。
複数飼育は可能で、ペアがすぐできます。

ペパーミントシュリンプ

2-4

容易

普通

丈夫

カーリーを食べてくれる大変有難いエビです。
ただ、他にエサや食べるものが多いとなかなか食べない場合もあります。
また、逆にあまりに食べるものがないと、サンゴを食害しだすことがあります。
特に弱ったサンゴから狙うようです。
エサの少ない水槽では1匹だけ入れておくとよいと
思います。国産のアカシマモエビも、同様にカーリーを食べてくれます。

左の画像では2匹写っていますが、水槽になれないうちは左の固体のように
透明に近く、なれて長くなると、右の固体のように綺麗に赤っぽくなってくる
場合が多いようです。

マーブルサロンシュリンプ

3-4

容易 大人
しい

敏感

結構敏感なサンゴモエビの近縁種です。
複数飼育は可能です。
ミカヅキコモンエビ 2-3

容易

大人
しい

普通

いわゆる透明系のエビです。

スズメダイやチョウチョウウオ、大きなヤッコなど、大きく
捕食性の強い生き物に食べられてしまう恐れがありますので注意しましょ
う。

専用水槽か、ハードコーラル水槽が最適です。

ワリバシエビ

4-5

容易 大人
しい

敏感

とても繊細で、糸のような細い足のエビです。
大人しく小さな魚だけを飼っている無脊椎・ハードコーラル水槽
への収容でなければまず飼育は難しいでしょう。
複数飼育は可能です。

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●ヤドカリの仲間 

 ヤドカリの仲間は、貝殻を含めて4〜5cm以上の大きなもの以外では魚を襲うこともほとんどなく、底砂に落ちたものの掃除や藻類の除去をしてくれるため、無脊椎水槽の人
気者です。体も丈夫なものが多く、また美しいものがあります。

名前 写真 一般的な
サイズcm
餌付き 性格 水質
敏感度

その他

アカツメサンゴヤドカリ

2-4

容易

大人
しい

丈夫


スベスベサンゴヤドカリ

2-4

容易

大人
しい

丈夫

水槽の掃除・糸状の藻類の除去をしてくれる人気種です。

全体の派手さはユビワサンゴヤドカリに負けますが、こちらも目に青い模
様が入っており、また安価です。

ベニホンヤドカリ?

4〜6

容易

大人
しい

丈夫

●近海産のものは水温は20〜24℃程度にしてやる必要があります。

マーグイヨコバサミ

1〜2

容易

大人
しい

丈夫

主に沖縄から入荷する一般的な小さめのヤドカリです。
ヤドカリでは丈夫なほうだと思います。
下記、マダラヨコバサミにまざる形で当店では入荷しました。

マダラヨコバサミ

1〜2

容易

大人
しい

丈夫

主に沖縄から入荷する一般的な小さめのヤドカリです。
ヤドカリでは丈夫なほうだと思います。
安価ですが、足が黄色のまだら模様で結構きれいです。

ユビワサンゴヤドカリ

2-4

容易

大人
しい

敏感?
(訂正)

水槽の掃除・糸状の藻類の除去をしてくれます。
観賞用ヤドカリの定番で、足の青い輪が大変綺麗です。

丈夫と思いますが、水あわせを丁寧にしないと、店でも入荷後

全滅してしまうことがありました。

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●カニの仲間 

 カニの仲間は、普通の一般的な種類を複数収容する無脊椎水槽では、他の生き物を捕らえて食べてしまうものが多いため、あまり飼育されず、一般種として輸入されるものも
種類は多くありません。ここで紹介するものは近海産の低い水温を好むものが多く、それらだけを飼育する専用の水槽が必要になるでしょう。

名前 写真 一般的な
サイズcm
餌付き 性格 水質
敏感度

その他

アカテガニ?

5〜?

容易

捕食

丈夫

●近海産につき、水温は18〜24℃程度にしてやる必要があります。
アカマンジュウガニ

5-12

容易

捕食

丈夫

●近海産につき、水温は18〜24℃程度にしてやる必要があります。

ハサミの力が大変強く、人間の指くらいはちぎる恐れがありますので取り
扱いには十分注意し、アミなどを使用するようにしましょう。

また、体に毒を蓄える(毒化)することがあるため、
人間が食べると危険です。

アロークラブ 6-12  容易  雑食
(ウミケムシ) 
敏感  ウミケムシを食べてくれる、貴重な生物です。
ミズヒキガニ系ですので、敏感ではないかとおもわれますが、
まだ詳細は不明です。 
 追記:やはり敏感なようで、当店の飼育でも2匹を
数週間は元気にエサもたべていましたが、のち、双方死んでしまいました。
エメラルドグリーンクラブ 2-4cm 容易 草食
捕食
丈夫 色々な藻類を食べてくれる掃除用として重宝されるカニです。
当店でも2017/5月に始めて入荷し、以後は定番生体となりました。

特に、他の生物がほとんどたべないタマゴバロニアまで食べてくれます。
ただし、他の海藻があるうちはあまりたべず、最後に食べるという感じ
です。
 
また、ウミブドウなどの観賞用のイワヅタ類などの海藻類も好んで食べ
てしまいますので注意が必要ですが、逆にこれが繁殖して除去しきれず
困る水槽では助かります。

コケ・藻類対策に詳細を掲載しております。

エンコウガニ  15-20
(幅)
容易

捕食

丈夫 ●近海産につき、水温は18〜24℃程度にしてやる必要があります。

水深50〜100mの深いところに棲むカニです。
ハサミの力が大変強く、人間の指くらいはちぎる恐れがありますので取り
扱いには十分注意し、アミなどを使用するようにしましょう。
(筆者も挟まれました。)

カブトガニ(タイ・養殖) 長さ
8-12
(尾を
含む)
普通 丈夫 一般によく売られているものです。体は大変で、他の生体を捕食・攻撃
することも特に無い、大人しい生き物なのですが、特に養殖ものはエサを
食べない場合があり、確実な飼育がいまひとつはっきりしていません。
自然界ではゴカイの好んで食べるようです。
クモガニ 10-15 容易

捕食

丈夫 ●近海産につき、水温は18〜22℃程度にしてやる必要があります。
コブシガニの一種 5-7 容易

捕食

丈夫 ●近海産につき、水温は18〜22℃程度にしてやる必要があります。
サナダミズヒキガニ 10-15 普通
(生餌)
大人
しい
敏感  ●近海産につき、水温は18〜22℃程度にしてやる必要があります。

水質等に大変敏感で、長生きさせるのは難しいようです。

スベスベマンジュウガニ   4-6 容易 捕食 丈夫 ●近海産につき、水温は18〜24℃程度にしてやる必要があります。
トゲアシガニ 6-10  容易 草食  丈夫  ライブロックなどにつく藻類をとってくれるカニです。
たまに魚にかかっていくこともあるそうです。 

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●ケヤリムシ・ゴカイの仲間

 基本的に丈夫な生物です。ゴカイの頭の部分に鰓冠(さいかん)と呼ばれる花のような器官が美しい生き物です。
 無脊椎水槽の、少し水流のある場所においてやれば一応それだけで飼えるという生き物です。
 しかし給餌は一応行った方がよく、魚等がいる状態でエサを与えていれば一応足りているようですが、あまりに少ないとだんだんやせて死んでしまうこともあり、その
場合は時々ピペットなどでこまかくしたエサを3日に1回くらい吹きかけてやりましょう。 

 砂の上においたらいいか、また岩の間に挟んだらいいかというご質問がよくありまして、これはどちらでも良いです。
岩などの近くにおいておくと、たった1日くらいで、自身の粘液でくっついてしまうこともあり、勝手に固定することもあります。砂の中に途中までうめておくのも、なかなか気に入
ってくれるようで、岩にはさむよりも機嫌よく開くことが多いです。
 また、水質が悪かったりすると花(鰓冠)が外れて落としてしまう場合があります。この場合、環境が改善されればまた鰓冠を作りますが、悪い環境のままでは本体も死んで
しまうことがあります。

水流について: 上にも記載しましたように、少し流れのある場所がよいでしょう。

魚との同居タイプ:ヤッコ等結構いろいろな魚に突付かれてしまうことがあります。小型魚ならまず大丈夫です。

光について: 光合成はしていませんのでこだわる必要はありませんが一応最低限の照明はつけましょう。

他のサンゴとの接触について:特に他種に触れることで他種に対していきなり被害が出ることは少ないですが、サンゴに常ににふれていると、サンゴが嫌がってしまいますので
触れないようにしておきましょう。 

名前 写真 鰓冠の幅
cm
丈夫さ
(水質敏感度)

その他

イバラカンザシ

0.5〜2 丈夫 岩の内部に生息し、他の仲間より比較的小さな鰓冠を出す種類です。
だいたい握りこぶし程度の岩で販売され、一個体づつは小さいものの多数の色
違いの個体がついていて面白いです。
飼育はそう難しくなく、魚に普通にエサを与える環境ならそのままでよく、ないなら
粉末・液体飼料などを数日に一回吹きかけてやるといいでしょう。
インドケヤリ

(一般にケヤリムシと

呼んでいるものです。)


3-5 丈夫
オオシライトゴカイ 0.5-1 敏感 小さな個体が集まった群体のゴカイの仲間です。
いきなりすべて死亡はしないものの、全体的に維持は難しく、
粉末・液体飼料などを一日に一回は吹きかけ、積極的な給餌を

しなければならないでしょう。また、石灰質の管を作るため、

ハードコーラルと同様の水質を維持する必要があると思われます。

オオナガレカンザシ
(ハードチューブ・
またはココワーム)

3-5 普通 石灰質の硬い管をもち、本体も大型になる種です。
水質も、ハードコーラルと同様なカルシウム、KH値を維持する必要が
あります。
ゴカイの中ではやや敏感で、水流がやや強いところに置く必要があり、
特に管の内部に水が入るようにしてやらないと、死んでしまうことがあります。
色は赤、白、まだらなどがあります。
カラードフィンガーチューブ 2-4 丈夫 採取地で、管の後ろ部分が紐で縛られていることが多く、これは
はずしてやった方が良いです。つけたままでは死亡率が高くなります。

積極的に給餌してやったほうが良い種です。

ケヤリムシ薄イエロー
(俗称)
3-4cm 丈夫 薄いグリーンからイエローをしたケヤリムシで、昔からしばしば入荷します。
管が他のケヤリよりやや黒っぽく、あまりガサガサしていなくてしっとりとした
質感をしているのが特徴です。
コウキケヤリ
1-3 丈夫  
ホンケヤリ(マーブル)
(俗称?)
3-4cm 丈夫  
ラセンケヤリ 3-4cm 丈夫 しばしば、コウキケヤリもラセン形状になるため混同される場合があるようですが、
しっかり螺旋をまき、色が褐色が多いのが本種のようです。
かえってコウキケヤリより珍しいため、運良く手に入ったら大事にしたいものです。

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●貝類

2024/7/16 全体的に追記訂正をいたしました。

・あまり一緒に飼うことは無いと思われますが、2枚貝の仲間はチョウチョウウオに食べられてしまうため、同居は不可能です。
 

名前 写真 一般的な
サイズcm
光合成
による
光要求
総合
難易

その他

ウコンハネガイ
(フレームスキャロップ)

4〜6

不要

やや難しい

自分で口をパクパクと動かして移動し、気に入った所で固定する2枚貝です。

水中の懸濁物(けんだくぶつ)を濾しとって食べるため、粉末・プランクトンフード等を
1日に1回は吹きかけてやる必要があります。

給餌しないと短期間で死亡し、エサをきちんと与えているとかなり元気に飼える印象ですが、
それでも簡単とはいえないと思います。

キイロタカラガイ(左)

2〜3

不要

普通

 

2024/7/16追記訂正

水槽に生える藻類を食べてくれるタカラガイの仲間です。

2004年頃、たまたまサンゴに付着してきたタカラガイの一種が水槽で長生きしたとき、
一般的なコケトリのシッタカより丈夫で美しいことを発見し、以来多く入荷するようにし
たものです。
最近ではかなり一般的になったようです。

ただ、それでも多数飼育しているとしばしば死亡はあります。

残念ながらウミケムシが多い水槽では、すぐに食べられてしまうようです。

シッタカ(俗称) 

正式名称:バテイラ

ここではほかの類似した
コケトリ貝も
一緒に扱います。


1〜2

不要

普通

いわゆる普通の2〜3cmのコケトリ貝で、一般的に入荷するものです。
バテイラという正式名称のようです。

※イシダタミガイ、カンギクガイなども同様のコケトリ貝として役立ちます。

大きなものほどコケトリパワーがあるものの、小さい方がサンゴをこかさないので案外
よかったりします。

シラナミガイ    2〜10 必要 普通 飼育方法は、下記のヒメシャコガイに準じます。
ハナビラタカラガイ

2〜3

不要

普通

キイロタカラガイ同様で、水槽に生える藻類を食べてくれるタカラガイの仲間です。

2004年頃、たまたまサンゴに付着してきたタカラガイの一種が水槽で長生きしたとき、
一般的なコケトリのシッタカより丈夫で美しいことを発見し、以来多く入荷するようにし
たものです。最近ではかなり一般的になったようです。

残念ながらウミケムシが多い水槽では、すぐに食べられてしまうようです。

ハナマルユキ 3〜4 不要 難しい 水槽に生える藻類を食べてくれるタカラガイの仲間です。
ハナビラ・キイロタカラガイより大きな個体が多く、やや敏感なのか死亡しやすい種です。
主にエサ不足になると死亡しますので、藻類が逆に必要になってきます。

残念ながら長期飼育は難しく、何度か飼育しましたが長持ちしたことがありませんでした。

ヒオウギガイ   5〜7 不要 普通  
ヒザラガイの仲間 数mm〜
2cm
不要 普通 水槽の中で自然に繁殖することも多い貝類です。昼間は普段は石や岩の裏にいて
主に夜にでてきて、水槽のガラス面などを掃除してくれます。
大きなものは食用にもなるそうです。
ホシダカラ 2〜7 不要 普通 小さなときは藻類を食べるコケトリ貝なのですが、大きくなるとイソギンチャクやソフトコー
ラル、カイメンなども食べてしまうタカラガイです。

2018年1月に初めて大きなものが入荷し、コケトリ貝として当店が知らずにお客様に販
売してしまい、カイメンなどを食べてしまってお客様にご迷惑をおかけし、お客様のご指
摘によって、上記のことも判明しました。
 当店の無知と愚かさでご迷惑をおかけしお詫び申し上げます。

ヒメシャコガイ

(解説更新2019/10/27)

5〜10

必要

普通

水質: ハードコーラルよりは鈍感と思われますが、カルシウムの殻を形成し、光合成のみ
でほぼ生きていくため、基本的には同様の水質(カルシウム
360〜500ppm、KH6〜14dH程度)が好ましいまたは必要と思われます。

 栄養塩には鈍感ですが、一応硝酸塩は20ppm以下が望ましいでしょう。
 サンゴ同様に光合成を行う褐虫藻を持つ生物ですので、光が必須であり強いLED等
の強い光が好ましいです。
水流:強い必要はなく、強すぎは厳禁ですが、逆に極端に無いと数日で高い確率で死亡
してしまう結果が当店ででています。緩やかでもいいのであきらかに流れているところに
おきましょう。

固定について:

 岩など硬いものの上におくと細い糸を出して自然に固定します。水流はごく弱めを好み
気に入らないところだと転がってはずれてしまいます。いつまでも転がっていると死んで
しまうことがあります。
 当方の業者・なんくる物産さんに聞いたところでは、自然界では岩に固着したあと、岩を
少しづつ溶解させ、長期間をかけて岩に沈んでいくそうです。
照明・他:輸送ストレス後や開きが十分でないときは、一旦強力な光で元気にしてやった
方が良いでしょう。
 
現在は、LED照明の飼育が主ですのが、とにかく導入当初は水槽の上部におき、かつ
強い光を当てた方がよいです。これはサンゴの場合より強い意味でお勧めです。
 蛍光灯の場合は、ホワイト系の明るいライトを2灯以上の場所の極至近(水深10cmに
)置いて、十分に開くようにしてから本来の場所に配置してやりましょう。
最終的には100Lに対し、蛍光灯80W程度でライトからの距離が水深30cm以内なら飼育
できます。
 当方では以前は蛍光灯のみで管理していましたが、一時から輸送がやや悪化し、状態
があまりよくないものが入ってきていました。そのとき、いくら入荷しても全滅の
 くりかえし、残ったものも全然ダメでしたが、4000ケルビンくらいの黄色いでサンゴ水槽
には向かない色のメタハラで管理をしたところ、すべての固体が非常に元気になり、持ち
直したことがあります。
 注意点:細かなエアーが始終水中を多量に漂っていると、死んでしまうことがあります。
 死亡すると半日程度で溶解してしまいますので、すぐに取り出して処分しましょう。貝
が半開きになって、中の肉が内側に力なくガクッと垂れ下がっ
た状態はほぼ死亡状態
です。
 2枚貝の水質浄化の効果が本種にもあるらしく、たとえば当方では、シャコを多数入れ
ている水槽でコケは生えにくいという状態を維持していました。 
 
魚との同居について:
 チョウチョウウオは貝が大好きなため、食害を受けることが多々ありますが、それ以外
ではとりあえず大丈夫でしょう。ただ、貝が好きな生体との同居は控えた方がいいです。
 ただ、魚が多いと照明から陰を落とすことで本種が驚き、頻繁に閉じようとして、それ
が頻繁にあると、突然死んでしまうことがあるようです。どちらにしても、あまり魚が多い
水槽にはやめたほうがいいでしょう。
余談・観賞について: 本種はあきらかに横から見るより、水槽の水面・上から見た方が
綺麗です。

ほか、追記といたしまして、魚が多い水槽でいつも周囲をおよがれると、そのたびに
驚いて閉じる傾向があります。シャコガイが慣れ鈍感になってくることも多いのですが
、調子が出る前にあまりにショックが多いと、死んでしまうこともありますので、注意が
必要です。(これも、上記本館の記事に追記させていただきます。)

ヒレジャコガイ

(解説更新2013・5・6)

5〜10

必要

普通

飼育方法などは、上記ヒメシャコガイの準じます。こちらの方が若干、
水質や環境に敏感ではないかと思います。

貝殻の側面にかなり出張ったエラのような形状があるのが特徴です。

マガキガイ

4-5

不要

丈夫

遅ればせながら追記しました。^^;
主に水槽の底砂を攪拌しながら、藻類を食べてくれる貝です。
食べることに加え、表面を攪拌することで、藻類をかなり抑制してくれます。
攪拌できる底砂は3番サンゴ砂程度、10番(小豆大)くらいではあまり攪拌できません。

砂掃除以外では、ツツウミヅタなどの体にまきつく糸状藻類などをホースのような口で
綺麗に除去してくれました。むしろこの能力の方が有効と思いました。


ただし、過去に白点病が出、自然治癒したことがある水槽などでは底砂に潜んでいる場合
があり、現在、かかりやすい種がいる状況などで、急に底砂を攪拌させると病気を発生さ
せる可能性もありますので注意しましょう。

なお、この貝はまったくの無毒で食用にもなりますが、同様の貝殻の形をしたほかの種
は、有毒で人を挿すイモガイ類が多いため、注意しましょう。

マガキガイだけはカタツムリのような目がニュッと出ているのが大きな特徴ですのでそれ
で見分けるといいでしょう。

ムシロガイの仲間


・リュウキュウムシロガイ
2-4cm 不要 丈夫 パウダー等の砂の中にすいすいともぐって中をかなり頑張って掃除してくれる貝です。
砂掃除専門の貝といえます。

当店では2017年3月にお客様に教えて頂いて入荷したばかりで、まだ詳しいこと
はわかっておりませんが、比較的丈夫なようです。

追記:エサは魚用のエサなどを巻くと、砂から出てきて食べます。
上記以降、複数を取り扱っておりますが、死亡がなく、大変丈夫な印象です。

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●ナマコの仲間

無脊椎水槽での砂の掃除をしてくれます。特にパウダー砂を敷いている水槽では、高価が高いです。敵から襲われたり、何かショックがあると、まず花のような周口触手を開か
せます。これは鑑賞としては美しいのですが、これがいつもだと問題です。さらに敵に襲われたときには内臓を放出して逃げます。このようなことが続かないように環境を整えて
やらなければなりません。 
水槽収容時は、水あわせは特に必要なく温度あわせだけで大丈夫です。
注意点
オゾン:ナマコ全般が、オゾンに非常に敏感な面があります。濃度にもよるようですが、飼育している水槽で直にオゾンを使用することは止めましょう。異常に周口触手を開き続け
るのが嫌がっているサインです。※追記:ごくごく弱い使用なら、大丈夫なようです。
死亡・触手の毒:死亡した際には水大変汚します。また毒を出すこともあります。また、クロナマコなどはサポニンという毒を持つため、触ったあとは手をよく洗いましょう。
サンゴを食べることはありませんが、サンゴに触手が触れるとサンゴが解かされる恐れありますのでレイアウトには注意しましょう。
ストレーナーに注意:

名前 写真 一般的な
サイズcm
総合
難易

その他

アカミシキリ

-15

易しい

水槽の砂掃除約としておなじみのナマコです。
砂を飲み込んで排出し、デトリタスを吸収して掃除してくれます。
砂はパウダーか、3番サンゴ砂(1〜2mm)以下程度でないとできないようです。
クロナマコ

(ニセクロナマコ?)

-15 易しい 水槽の砂掃除約としておなじみのナマコです。
砂を飲み込んで排出し、デトリタスを吸収して掃除してくれます。
ただ、砂はパウダーか、3番サンゴ砂(1〜2mm)以下程度でないとできないようです。
他サイト様でご教授頂いた情報ですが、
体に細かい砂がへばりつくのがクロナマコ、つかないのがニセクロナマコだそうです。
シーアップル 10-15 普通 熱帯産でしばしば輸入されるものです。開かせる周口触手は個体によって違い、とても美しい
ですが、他のナマコより少し敏感な印象もあります。また、死んだ場合は早急に取り出さないと、
水が非常に汚れるだけでなく、本種は毒を出すことがあります。
シカクナマコ 5-15 易しい 本種も水槽の砂掃除約としておなじみのナマコです。クロナマコに、黄色い点々がついておしゃ
れになった印象です。
砂を飲み込んで排出し、デトリタスを吸収して掃除してくれます。
ただ、砂はパウダーか、3番サンゴ砂(1〜2mm)以下程度でないとできないようです。
トラフナマコ 8-15 易しい  
マナマコ 8-15 易しい  
リュウキュウフジナマコ 8-15 易しい  

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●ウミウシ・アメフラシの仲間

ストレーナーに注意:

名前 写真 当店で飼育した
サイズcm
総合
難易

その他

アメフラシ  

8-15

易しい

 
ハナデンシャ 8-15

ウミウシの仲間で飼育方法は謎です。
ただ、ネットで他の方が公開されている動画を当方が見せていただいたところ、
本種はクモヒトデの腕をちぎって食べるそうです。
路面電車が電飾されたものに似ていることから、こういうおめでたい名前だそうです。
写真は、こちら脇岬の浜で打ち上げられていた大変珍しい個体でした。
ミノウミウミウシの一種
(スターポリプ似)
2-3 優しい
本種は水槽内では主に害虫です。

スターポリプに良く似たウミウシで、スターポリプをたべてしまいます。放っておくと
どんどん増えてしまいますので、見つけ次第除去しましょう。
(当店では昔、かなりのスターポリプが全滅させられました。)

取りかたは、スターポリプを岩ごと海水と別の容器に入れ、ピペットなどで本種だけを
吹き飛ばしてしまうようにします。

ミヤコウミウシ 5−6  

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●海藻・海草の仲間  

●根っ子の役割、水槽導入時の処理や水流について 2024/2/4

 イワヅタ海藻類の根っ子は、どこかに定着するだけで栄養を吸収するには役立っていないと聞いております。当店では一部が砂にくっついて、これが重しになって便利ですが
、他はほとんど浮草みたいに増えております。ただ、浮いて転がったりすると傷でだめになりやすいので、単に固定のために重しとして砂に一部を埋める方がいいでしょう。
 こちらはライブロックは使用しておらず、10番か3番の砂を用いています。

また、水流は特に初期はこれも傷や痛みの原因になるため、ほとんど無い方がいいようです。隔離ケースでも育つくらいです。
 海藻は水質的にはサンゴより条件がゆるやかですが、何をしても枯れるときは枯れるという難しい面があり、また特に初期に魚につつかれていたりするとすぐにだめになって
しまうことが多いので、最初だけでは隔離して元気にするのもひとつと思います。

●24時間照射の有効性について  2024/1/12追記 

 イワヅタ海藻類は、何かの変化やショック(または見た目上ショックが無くても)で、針のような器官を出して直後に色が抜け、一斉に枯れてしまう現象が見られます。
これは危機を感じて胞子のようなものを出す現象とされ、これにつき、海藻は、予め明暗の切替で生きられる回数が決まっている?という話があって、そのためにもずっとライ
トを照射し続けた方が良いという意見が散見されます。しかし実際には、ずっと照射をしていてもこの現象が起きたことがこちらではあり、また一度安定すると明暗を切りかえて
数年飼育していて問題がない場合もよくあります。当店で2012〜2021年、長崎・奈良で海藻を販売し続けた際も多くの種がそうでした。 
 育成自身は24時間の方が早いようにも思えますが、藻類の発生などを考えると、今は普通の時間帯(8〜10時間程度)にしております。
 

●(主にイワヅタなどの海藻について) R1/8/30全体的に追記

 海藻類は、成長するときは爆発的に増えますが、枯れるのもわずか1〜2日で、種類にもよりますが、長期間安定して飼育するのがなかなか困難でもあります。 

 海藻の増殖に必要なもの、好ましい環境は、ほぼ一貫して強い光、二酸化炭素、そして水流※です。二酸化炭素は、特に添加する必要はなく、エアーレーション、OF式パ
イプなどでこれが逃げないようなシステムになっていれば好ましいです。ただ、実際にはそこまでこだわらなくても、強い光と水流があれば飼育できる種が多いです。
全体的に、ヨウ素の添加が好ましいように思え、当店でもこまめに添加するようにしてから、枯れることが減りました。

※水流について補足

 イワヅタ類の水流は若干あればよく、また慣れている状態で水流があるとより成長が早く好ましいですが、水槽導入初期はむしろ弱めにしないと、転がったり折れたりして
逆にだめになってしまうことも多いため、根がはるのを待った方がいいでしょう。少し水が通っていれば、概ね成長は可能なようです。

 海藻は、もともと栄養塩が多かったり、ミネラルの乏しい水質にも強い性質がありますが、水質の変化、ことさら比重の変化に弱い面があります。1日に2割程度の差し水
を行うと翌日以降に全部溶けてしまうこともあります。少しの差し水でも、成長点の色が変わったりする反応を出す場合もあります。この点は注意が必要です。
 特に成長の早い種ほど、全滅もしやすい傾向にあるようです。

 成長のためには硝酸塩はむしろあったほうが良いくらいで50ppmくらいでも良いですが、水槽や海藻自身に「藻」が生えることも考慮して25ppm以内程度の飼育が良いで
しょう。海藻だけ飼うことはまずないですので、普通は同居している生体があり、これが栄養塩の発生源になります。水温は、概して20℃〜28℃くらいまでが適当ですが、
タカノハヅタ、イチイヅタ、ヘライワヅタなどは変化の幅にもよるかもしれませんが、28℃前後になると溶けてしまうこともあります。

 また、特に”海藻”はある水槽から別の水槽に部分的に移植する際、もとの水槽でまず移植する分をカットします。そして2日くらい置き、カットした部分の傷が治ってから新
しい水槽にうつしたほうが安全です。
 あと、特にタカノハズタの近似種のイチイズタの変異種が自然界に投棄され、いわゆるキラー海藻として大繁殖するために大変な被害が出ている場所が世界各地にあるよ

うです。絶対に自然界に捨てないようにしましょう。ただ、変異種は極めて丈夫なため、たとえば当店のように頻繁に死亡・全滅をするようなものではないようです。

  ひとつ気づいたことがありまして、比重1.021〜1.022(テトラハイドロメーター)以上は最低でもあった方がよいみたいです。
また、さし水のあとに一部枯れることがあるというのは海藻をよく飼育されているお客様も同様のことを言われていました。
 今は入れ方はほかのシステムから混入して数日かけてまざるようにし、非常に慎重にしています。これだけでも以前からだいぶ枯れることは減りました。
 ほか、照射時間も大事で、最低8時間以上はあった方がよく、当店で6時間などにすると種類によっては枯れるものがでてきました。 R1/6/20 追記

 R1/8/30追記
 ほか、特にイワヅタ類では、これから海藻類をいれようとすでに魚がいる場合、海藻好きな種類でなくても、あとからはいったものはつつく傾向があるため、部分的にちぎれ
てしまって全体がダメになってしまうことがよくあります。この場合、海藻を透明な容器などで隔離して栽培し、一旦安定状態にするのが効果的です。水流は少しだけでも流
れていれば、なんとか成長する種類が多いです。 

光要求について 

弱い:60*30*36cmの規格水槽で、20W蛍光灯1灯でも飼育が可能な種です。(ただし、多いほうが成長が良いです。)
普通:60*30*36cmの規格水槽で、20W蛍光灯2灯程度で飼育が可能な種です。
強い:60*30*36cmの規格水槽で、4本、あるいはそれ以上の白色系の明るいLED・メタハラなどの直下照度が必要な種です。

名前 写真 葉の幅
cm
光要求 水質変化へ
の敏感度

その他

アマモの一種 3-5 強い 普通 本種は”海草”であり、栽培には1mm程度の細かい砂を
4〜5cm以上敷く必要があります。

飼育は結構難しく、極めて強力な照明が必要なようです。
イチイズタ 1-2 弱い 敏感 一般的なタカノハズタに酷似したイワズタの仲間です。
タカノハズタより少し茎や葉ががっしりして強いように見えます。
成長の早い種です。ただ、その分水質変化で全滅することも多いです。

また、下記の”タカノハヅタ”と形状が酷似しておりますが、よく見ると見
分けがつきます。(タカノハヅタの項目に、比較写真を掲載しました。)

オゴノリ?   1o以下  普通?  丈夫   左のものは当店のサンゴ水槽で自然増殖してきたものです。
種類が正確でない可能性がりまして、近似種のエゴノリかもしれ
ません。(すみません)
成長はイワヅタより遅いですが、枯れることが少なく安定しして
います。水温は24-27℃程度で飼育しています
クビレヅタ A
(ウミブドウ)
1-2 弱い 敏感 イワズタの仲間の海藻です。(通称ウミブドウ)成長はタカノハズタに
次いで早く、ヤッコなどが好んで食べる場合もあります。
ただ、頻繁に突付かれているとそれで解けてなくなってしまうこと
もあり、注意が必要です。
クビレヅタ  B亜種? 

(ウミブドウ)

  1-2  弱い  やや敏感  本種もクビレヅタ(通称 ウミブドウ)とされますが、上記(A)の
ものと比べるとAが、
球体葉がややまばらに出るのに比較し、Bは各方向に多く出ており、
 球数自体もあきらかに多く、特に先端の生長点ではさらに多くなり、こ
んもりとなります。
 生息域・環境による違いかもしれないのですが、同様の環境で飼育し
ていてもあきらかに形が違うため、比較として掲載してみました。
 双方とも光があきらかにくらいところでは葉っぱの球数も少なくなり、
まばらになりますが、よく当たっているところでも違いがあります。
以下、比較写真です↓ (クリックで大きくなります)

カサノリ 1-2 強い 敏感 非常に繊細で面白い形状の海藻ですが、飼育は難しく、環境があわ
ないとすぐになくなってしまいます。

光要求も強いようで、60cm水槽なら20W蛍光灯で4本以上、あるい
はLED・メタハラなどの使用が必要と思われます。

キザミヅタ?

(明確には不明)

0.3-0.5 普通 丈夫 ヘライワヅタに形は酷似していますが、サイズが茎も葉も小さく、繊
細です。当方の持つ海藻図鑑でしらべたところ、キザミヅタという種
にもっとも近いです。
かなり丈夫なようで、あまり解けてしまったことがありません。

環境によっていい環境では茎も葉も少し太くなるようです。

コケイワヅタ 0.3-0.5 普通 不明
(再訂正)
一時期とてもよく繁殖していたのですが、一気に枯れる現象が
置き、もともと頂いているお客様の水槽では安定して増殖している
そうなのですが、当店では一進一退を続けており、他の海藻が皆
元気な環境でこの状態につき、丈夫とはいいきれないと思います。
 サイハイヅタ 1-2 普通 丈夫 本種もイワズタの仲間ですが、比較的成長がやや遅い反面、
ウミブドウやタカノハヅタより丈夫で、いきなり全滅することが少ない
種です。あまり売られていませんが、初めての海藻にお勧めです。
ヨレヅタにとても良く似ていて、当店も混同してしまっておりました。
サボテングサ 5mm 多い 普通? ※飼育法は、下記の”ヒロハサボテングサ”をご参照ください。

成長はこちらのほうがやや遅いようです。
サボテングサの一種 1-1.5 多い 鈍感 サボテングサの仲間は、葉の成分の大半がカルシウムで、
ハードコーラルと同様の水質を維持しなければ成長してくれません。

※詳しい飼育法は、下記の”ヒロハサボテングサ”をご参照ください。

スズカケヅタ? 1-2 普通 敏感 地面を這うように増える仲間です。当店でも正確かどうかわからな
いのですみません。もっとランナーの細いタイプも見受けられますの
で、亜種かもしれません。
タカツキヅタとよく似ていますが、本種は主たるランナーから
主に1こづつだけ葉がですようです。
当店なりの分類ですので、不正確かもしれませんが、
比較写真は以下↓をご覧ください。
←クリックで拡大します。
センナリヅタ 1-2 普通 敏感 ※2013/12/23 名前をほぼ特定できました。
センナリヅタの
 近縁種?
1-2 普通 敏感 沖縄から入荷したものです。入荷名はタカツキヅタでしたが、どうみても
違うと思われ、センナリヅタに近いですが、茎と葉の先の球体部分に
長さがあります。環境のためにセンナリヅタが形を変えたものかもしれ
ません。分かり次第、訂正いたします。
センナリヅタ?SP   2-3  普通 普通   下の(不明種1)に似ており、同種かもしれません。センナリズタの名
前で入荷をしました。上記の2種のセンナリズタなどとはあきらかに違い
、茎は2〜3mmで太く、全体的に強靭で立派な感じです。
ソテツ(俗称?)

スリコギヅタ?

2-3 写真は沖縄で手に入るものを、友人から分けて頂いたものです。
現地では”ソテツ”と呼ばれているそうですが、正式名では無いよう
です。
写真ではタカノハヅタに形が似て居ますが、葉幅が2〜3cmと他の
海藻よりずっと広く、大きな印象です。透明感
があってつやがあります。
タカツキヅタ? 約2 弱い 普通 地面を這うように増える仲間です。当店でも正確かどうかわからない
のですみません。
スズカケヅタとよく似ていますが、本種は主たるランナーから主に上
に分かれたランナーがさらに枝分かれして葉を複数つけるようです。
当店なりの分類ですので、不正確かもしれませんが、比較写真は
以下↓をご覧ください。
←クリックで拡大します。
タカノハズタ
(沖縄産)
約2 弱い やや敏感 一般的なのイワズタの仲間でもっとも成長の早い種です。ただ、その
分水質変化で全滅することも多いです。
上記の”イチイヅタ”と酷似していますが、葉の形状などを比較すると
差異がわかります。下記は比較画像で、クリックすると拡大します。
←クリックで拡大します。
タカノハズタ
(インドネシア産)
約1 弱い やや丈夫 2018年10月
輸入産と沖縄産の↑の種を同時に扱って比較したところ、あきらかに
葉のサイズに違いがあることがわかりました。沖縄産がずっと大きく、
こちらインドネシア産が小さく繊細でした。
 当店の栽培では、こちらの方がやや丈夫なようです。
タマゴバロニア 1-2 弱い 鈍感 現在は商品ではなく、むしろ水槽内の迷惑生物となります。
見た目は面白く綺麗なので昔は当店でも販売していたことがあります
が、どんどん増殖して色々なところにくっつき、ストレーナーやパイプに
まで詰まらせてしまうことがあります。
水槽に散在して次第に完全除去が困難になってしまうため、他の生き
物を中心に
飼育する水槽ではできるだけ取り除いておいたほうがいいでしょう。
ビャクシンヅタ 0.5-1 普通 やや丈夫 タカノハヅタが繊細になったような形状で、成長もはやく、むしろ丈夫
な印象があります。
フクロノリ   〜20cm 普通 丈夫 
水温26度
以上では
飼育
不可能?
袋状に膨らむように成長していく海藻です。中空で完全な袋ではなく、
下部に隙間などがあり、空気などが入る場合があります。
空気がはいると浮いてしまうので、逆さにして出すようにします。 
小さな断片からでも成長がみられ、最初、地面に接していた部分の石
にくっつく性質があります。(下記、海藻の裏側です。サンゴ石がくっつ
いています。)

水槽で見ると、色はオレンジがかった茶色で、汚い色という感じはあり
ません。
ただ高水温には耐えられないらしく、水温が25〜26度以上になると急
激に枯れてしまうようです。
不明種A

ヒラエヅタ?

2-3 普通 やや丈夫 ウミブドウ、ヒライワヅタ、スリコギヅタを混ぜたような形をしている海藻
です。ただし、茎も葉もずっと大きく、太いです。
成長は早い上、茎は数mmあって太くて硬く、かなり丈夫なようです。
不明種B

ヒラエヅタ?

1-1.5 多い 鈍感 上記のAはヒラエヅタ?と思われましたが、こちらもよくわからない
種です。ウミブドウ(クビレヅタ)にもよく似ていますが、平面状に丸
い葉が出て、比較的密に茎が成長し、あまり成長は早くありません。
上記の不明種1に形状はにていますがこちらの方がずっとサイズが
小さいです。
不明種C 

※カウレルパ・メキシカーナに
似ています。

約1 ふつう? 鈍感 R5/1/12追加しました。

タカノハヅタにまざって輸入された、非常に珍しいカウレルパの一種
です。幸い、水槽飼育でも安定して増えていて、飼育しやすいです。

           
ヒロハサボテングサ 1-1.5 多い 鈍感 サボテングサの仲間は、葉の成分の大半がカルシウムで、
ハードコーラルと同様の水質を維持する必要があるようです。

当店では、15W程度のLEDスポットライトを用いて直下またはそれに
近いところで照射するようにし、水深25cm程度の水槽にパウダーサン
ゴ砂を4〜5cm敷き、植え込んだところうまく飼育・増殖できています。

一旦うまくいくと、新しい新芽がどんどん出てきて、また根っこもとても
長くはるようになり、葉っぱをちぎって植え込むと株もふやすことができ
ます。

フデノホ 0.5 多い 非常に敏感 非常に敏感で、難しい海藻です。
訂正
ホソジュズモの太いタイプ

(通称:フトジュズモ)

0.5mm
程度 
少ない 非常に丈夫  R5/9/16訂正
一般にフトジュズモと呼ばれており、当方でもそのように長年扱ってお
りました。ただ本来のフトジュズモは太さ0.5〜2.5mmもあるものだそう
です。
そのため、これも正確といえるかどうか確証はありませんが、観賞魚ル
ートで一般に存在しているフトジュズモは、ホソジュズモの亜種または
その太いものとした方が正確ではないかと思い、訂正させていただき
ました。

下記、ホソジュズモにごく近い海藻で、少し太いもので、飼育法は準じ
ます。ハリガネ状の海藻で、主にレフジュームなどでもはや栄養塩の吸
着材のように利用される海藻です。 
こちらも大変丈夫ですが、ホソジュズモより成長は遅いようです。 

ホソジュズモ 0.2程度  少ない 非常に丈夫 
細いハリガネ状の海藻で、主にレフジュームなどでもはや栄養塩の吸
着材のように利用される海藻です。非常に丈夫でどんどん繁殖し、水質
の変化にもつよくてまず普通に飼育していて枯れることはありません。
それだけに、使いやすいようです。
 繁殖がさかんになると、タワシのようになります。

普通は、ほかの海藻にまきつく形で繁殖することが多く、逆にこうなると
除去しきるのがとても大変です。 
ヘライワズタ 1-2 普通 敏感 本種もイワズタの仲間でかなり成長の早い種です。爆発的に増える反
面、水質があわないと徐々に,あるいは一気になくなってしまうこともあ
ります。ミネラルをこまめに入れると良いようでした。
マユハキモ   普通 普通 ほうきのような形状の藻類です。飼育はやや難しいですが逆
に岩ヅタのようにすぐ枯れることはなく、時間はかかりますが
根元の株が分かれるようにして増えていきます。きます。
モツレミル
 
2-3   多い 敏感?  ミルの仲間は、以前は飼育がとても難しいという印象でした。
しかし、このモツレミルについては、最近、適当に隔離ケースに
いれているだけでうまく増やしている方も多く、そう難しいことは
ないそうです。 写真の個体も、そうしてお客様が増やされたものです。
まだ当方でもよくわかったわけではないのですが、
水流はそれほど強くなくてよく、光はできるだけ強い方がいいでしょう。
ヨレヅタ 1-2 普通 丈夫 サイハイヅタに良く似ていて、以前当店でも混同しておりました。
葉っぱが少しヨレて、ふちがギザギザによくなるのが特徴です。(サイハ
イヅタでも少し、ギザになることもあるようです)
こちらも、イワヅタのなかでは比較的成長がやや遅い反面、
ウミブドウやタカノハヅタより丈夫で、いきなり全滅することが少ない種
です。あま
り売られていませんが、初めての海藻にお勧めです。

--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

●ヒトデの仲間

 ヒトデの仲間は、程度の違いはありますが基本的にどの種類もサンゴを食べるため、サンゴ水槽に入れるのは基本的に無理です。ただ、時々自然発生的に発生する小さな
白っぽいヒトデ(ルソンヒトデ?)は特に実害が無い様です。ほか、小さなアカヒトデなども大丈夫?という情報もありますが、やはりあまり入れない方が良いでしょう。
 実際には、観賞用海水魚の世界であまりヒトデが飼育されることは少なく、多くはフリソデエビのエサとしてコブヒトデを飼育されている事がある程度のようです。
 ヒトデは基本的に丈夫な生物ですが、凶暴さ、皮膚の強さは各種でかなり違います。また、エサは人工飼料から生物の死骸までおおよそなんでも食べますが、逆に何も
食べない?ようなものもいます。また、コケは食べないようです。カーリーも少し食べるという噂もありますが、実験したところたべず、またサンゴ水槽には入れられないので
あまり役には立ちそうにありません。

水流について:あまり関係が無い様です。

ヒトデを食べる生物: 魚では、大型のフグの仲間などを除いて、ヒトデを食べる魚はあまり居ないようです。その他では、大きくてハサミの力の強いカニ(アカマンジュウガニ、
 エンコウガニなど)が、ヒトデ千切って食べている場面を見たことがあります。

光について:光合成はしていませんのでこだわる必要はありませんが一応最低限の照明はつけましょう。

他の生物との接触について:ヒトデが歩くために出す、触手がかなりの刺胞毒を持っているようで、サンゴはもちろん、お互いのヒトデの別種などでも溶けてしまうことがあり
ます。 

それぞれの種類の強さグループ分け:(当方が過去に飼育したもののみです)

 ヒトデは、人間の手でふれても特に問題はありませんが、腕の腹側に並んだ”管足”にどうやらそれぞれに違う弱い刺胞毒性のようなものを持っているらしく、デリケート、丈夫な
ものの違いがあり、当店で飼育したところでは、あるていどのグループわけができます。下記、概要になりますが、それぞれの種類の解説にも追記いたしました。2019/10/4

@食性が非常に旺盛・凶暴・強健で、以下A、Bのヒトデにも害を与えるもの:マヒトデ など
A普通のもの以下のBには触れるとやや悪影響を与えることがあるもの:コブヒトデ、コブヒトデモドキ、マンジュウヒトデ、ルソンヒトデ、イトマキヒトデ など
Bとくにデリケートな体質で、エサもあまり食べないもの:アオヒトデ、ジュズベリヒトデ、バーミリオンビスケットスター など

名前 写真 一般的な
サイズcm
餌付き 捕食・
攻撃性
水質
敏感度

総合飼育
難易度

その他

アオヒトデ 5〜25 不明 弱い 敏感 やや
難しい
ヒトデの中ではかなり敏感で、他のヒトデの触手に触れると腐食
してしまいます。海藻の水槽などに放っておくのが一番良い飼い方では
ないかと思います。

ヒトデの刺胞強さグループ:B(弱い)

アカヒトデ 4-8 普通 普通 普通 易しい 小型の個体がしばしば入荷します。サンゴに害が少なく、
一緒に飼育されている方も居られるようです。

ヒトデの刺胞強さグループ:A(普通)

アカモンヒトデ

(種名判明)

4-5 不明 弱い 普通 普通 ヒトデの刺胞強さグループ:B(弱い)
アズキイボヒトデ 5-10 不明 弱い 普通? 普通? ヒトデの刺胞強さグループ:A(普通)
アミメジュズベリヒトデ 4-5 不明 弱い やや
敏感
やや
難しい
大変敏感で、他のヒトデに触れられただけで腐り始めてしま
うことが多い種です。
同様な敏感種(アオヒトデ、モミジガイ類など)以外と一緒に飼育するの
は無理でしょう。

ヒトデの刺胞強さグループ:B(弱い)

イトマキヒトデ 6-8 不明 弱い 普通 普通 ●水温は20〜25℃程度にしてやる必要があります。

ヒトデの刺胞強さグループ:A(普通)

イボヒトデ 5-10 不明 弱い 普通? 普通? 色は個体差で明暗・差異が大きいらしく、写真より

もっと色のあかるい、縞模様のほぼないものもあるよう

です。

ヒトデの刺胞強さグループ:A(普通)?

イボヒトデ SP 4-5 不明 弱い 普通? 普通?  
ゴカククモヒトデ 4-6 不明 弱い 普通 普通 ※あくまで推測ですが、近海産のため水温は18〜24℃程度にする
 必要があると思われます。

あまり動かず、見た目通り捕食性もおとなしく、表皮も敏感なほうと
思われます。

ヒトデの刺胞強さグループ:B(弱い)

コブヒトデ  7-10 普通 普通 普通 易しい 主にフリソデエビのエサとされる安価なヒトデで、頻繁に
輸入されています。丈夫で、色もパターンが多いです。

ヒトデの刺胞強さグループ:A(普通)

カスリモミジガイ 6-8 不明 弱い 普通 普通 ●近海産のため水温は18〜24℃程度にしてやる必要があります。

すぐに砂に潜り、砂の中を移動しますので、あまり出てきません。
食性や性格などは大人しく、表皮もややデリケートです。

表皮の敏感度:弱い」

ヒトデの刺胞強さグループ:B(弱い)

コブヒトデモドキ 4-7 普通 普通 普通 易しい 大型の個体が多く、赤い鉄橋のような模様が美しい仲間
です。本種もカラーパターンが個体ごとに違います。

ヒトデの刺胞強さグループ:A(普通)

コブヒトデモドキ?
近似種?
4-7 普通 普通 普通 易しい 入荷名はコブヒトデモドキだったのですが、どうみてもコブがなく、

よくわからない感じです。初めて入荷しました。

ヒトデの刺胞強さグループ:A(普通)

ジュズベリヒトデ 4-5 不明 弱い やや
敏感
やや
難しい
大変敏感で、他のヒトデに触れられただけで腐り始めてしま
うことが多い種です。
同様な敏感種(アオヒトデ、モミジガイ類など)以外と一緒に飼育するの
は無理でしょう。

ヒトデの刺胞強さグループ:B(弱い)

テヅルモヅルの仲間 20-30 特殊 特殊 普通 難しい ●水温は16〜18℃程度にしてやる必要があります。

本種はマリンスクエアで1匹だけ飼育した個体です。
深い海に住むヒトデの仲間で、気の根っこのようなとてもかわった姿を
しています。体は丈夫なようでしたが、エサが難しく、小さなエサを見
つけては口に運ぶようですが、
残念ながら何を食べるのかわからないまま、足が徐々に無くなってし
まいました。

トゲモミジガイ 6-8 不明 弱い 普通 普通 ●近海産のため水温は18〜24℃程度にしてやる必要があります。

本体の下側に細かい針のような剛毛のあるヒトデです。見た目より
食性や性格などは大人しく、むしろデリケートです。

ヒトデの刺胞強さグループ:B(弱い)

マンジュウヒトデ  2〜数10cm 普通 弱い 丈夫 易しい ヒトデの刺胞強さグループ:A(普通)
マヒトデ 6-8 容易 強い 丈夫 易しい ●近海産のため水温は18〜24℃程度にしてやる必要があります。

主に近海産で入る恐ろしく貪欲なヒトデで、養殖業の害虫でも
あります。手当たり次第食べられるものはどんどん食べてしまい、

また触手の毒も強いようで、他のヒトデに触れると腐食させて
しまいます。アオヒトデ、ジュズベリヒトデなどは一撃でだめに
されます。

ヒトデの刺胞強さグループ:@(きわめて強い)

モミジガイ 6-8 不明 弱い 普通 普通 ●近海産のため水温は18〜22℃程度にしてやる必要があります。

食性や性格などは大人しく、表皮もややデリケートです。

ヒトデの刺胞強さグループ:B(弱い)

ホウキボシ  2-5 普通 ヒトデの刺胞強さグループ:A(普通)

切り落とされた腕などからの再生力が大変つよいため、
結果的に一本の腕だけが長いような状態がよくある種類で、形がホウキ

ボシとつけられたようです。
このホウキボシの仲間にも複数種があるようです。当店では飼育期間が
短く、売却してしまいましたので、まだ生体はあまりわかっていません。

ヤツデヒトデ 4-6 容易 強い 丈夫 易しい 近海産ですが、水温30℃付近でも問題ないようです。

写真はこちら長崎・脇岬で採取されたものです。
海岸や港の壁におり、恐ろしく貪欲なヒトデで、手当たり
次第食べら
れるものはどんどん食べてしまい、なんとこちらではモクズショイなどの
カニまで捕まえて食べてしまいました。

また触手の粘着性も大変強く、はがすのに一苦労します。
未確認ですが、他のデリケートなアオヒトデなどには触れさせない方が
いいのではないかと思います。

ヒトデの刺胞強さグループ:@(強い)

ルソンヒトデ
1-8 普通 普通 丈夫 易しい ヒトデの刺胞強さグループ:A〜B(弱い〜普通)
SP(不明種)
オーストラリア産
10-12 不明 弱い 普通 普通 ●水温は18〜22℃程度にしてやる必要があります。

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●その他の仲間

 イカ・タコの仲間はかなり特異的な性格を持ちます。まず、水質に敏感で、おそらく概してイカの仲間が海の一般的な生物の中ではもっとも水質に敏感といえると思います。

名前 写真 一般的な
サイズcm
餌付き 性格 水質
敏感度

総合飼育
難易度

その他

オウムガイ 8-14 容易 捕食 丈夫 普通 ●水温は18〜22℃程度にしてやる必要があります。

飼育が難しいイカ・タコの中では幾分飼育しやすい生物です。
性格は大変大人しく、魚を捕食すると言われますが実際には本人はと
ても動きが緩慢で魚を食べることは皆無です。
エサは、冷凍のオキアミ等を解凍し、触腕にそっと渡してやれば手を伸
ばして、粘着力のある手でしっかりとつかみ、取り込んで食べます。
ただ、口は大変強い歯を持つため、間違っても指を口の中に突っ込むよ
うなことはしないようにしましょう。

オオグソクムシ 4-20 容易? 特殊 普通?

●水温は16〜18℃程度にしてやる必要があります。

本種はマリンスクエアで2匹のみ飼育しました。
深海に棲む掃除やさんで、生き物の死骸などを食べます。

かなり怖そうですが、動きはごく緩慢で慣れると私は素手でさわ
っておりました。ただ、歯が非常に強く、噛まれる恐れがありますので、
やはりアミなどを使いましょう。

体は丈夫なようですが、水温だけは低く維持しないと死んでしまいます。

カイメンの一種 長さ20cm〜 特殊

-

普通?

やや
難しい

本種はマリンスクエアで1個体のみ飼育しました。
非常に長いカイメンの一種です。

カイメンはいわゆるろ過生物で、水中の懸濁物(けんだくぶつ)をこし
とって栄養にしています。

それぞれの種類で丈夫さの差異がありますが、共通している飼育ポ
イントは、やや強い水流と、プランクトンや粉末状の給餌を行うことだと
思います。

光はまったく必要としませんので、もし藻類がついてしまった場合は
一時、ろ過層などまったく光の無い場所においておくのも良いでしょう。

カイメンの一種 5〜10 特殊

-

普通?

普通

いわゆるオレンジカイメンの名前で入荷したものですが、一般種とは
少し違うようです。
カイメンはいわゆるろ過生物で、水中の懸濁物(けんだくぶつ)をこしと
って栄養にしています。
それぞれの種類で丈夫さの差異がありますが、共通している飼育ポ
イントはやや強い水流と、プランクトンや粉末状の給餌を行うことだと
思います。
また、光はまったく必要としませんので、もし藻類がついてしまった場
合は一時、ろ過層などまったく光の無い場所においておくのも良いで
しょう。
コシダカウニ 3-6 藻類・海藻 大人
しい
丈夫 水槽のコケ・藻類の掃除をしてくれます。サンゴを食べることは特に無
いようです。海藻も食べてしまうかもしれません。
これらが無いと死んでしまうため、藻類が生えやすい水槽での飼育が
いいでしょう。
棘がやや鋭いので、取り扱いには注意が必要です。
ニッポンウミシダ
※訂正しました。

(ウミシダの仲間)

4-20 特殊 特殊 敏感 困難 ●近海産は水温18〜22℃程度で飼育する必要があります。

ヒトデなどに近い仲間で、自分で水槽を歩き回ります。一見怪物のよう
に見えますが、非常に興味深い生き物だと思います。
ただ、飼育は困難を極め、エサは水中のプランクトンなどを摂取します
が、この給餌が大変困難でどうしても短期間で痩せ、羽の部分をだん
だんと落として死んでしまいます。
陰日性のヤギと同じような扱いが最も良いでしょう。

タコノマクラ 5-8 特殊 大人

しい
普通? 難しい? ●水温は18〜22℃程度にしてやる必要があります。

本種はマリンスクエアで2匹だけ飼育した個体です。

ウニの一種で、
水質などについては鈍感なようですがエサが難しく、自然界で食べ
ていると思われる海藻・海草などを用意しないと難しいようです。

ヒラタブンブク 8-10 特殊 大人

しい
普通? 難しい? (長崎の脇岬で採取したものです。)ウニに近い種で、
水質などについては鈍感なようですがエサが難しく、自然界で食べ
ていると思われる海藻・海草などを用意しないと難しいようです。

一度だけ飼育したものは、水槽収容後、数日で死亡してしまいました。

ベニアミコケムシ - 特殊

-

難しい ●水温は18〜22℃程度にしてやる必要があります。

本種はマリンスクエアで飼育した個体です。刺し網で深い海から取れた
ものです。

               

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