〜我が家の民生向上計画〜番外編 第二種電気工事士の資格を取るまで (2012年11月頃) (受験申し込み・合格発表等: 電気技術試験センター:http://www.shiken.or.jp/) 第2種電気工事士の資格は、一般の家やお店等の配線工事(交流600V,直流750Vまで)をする際に必要な資格です。これがあると、お家の電気の配線工事などが 出来ることになります。今年、引越し先の長崎での古い家を直したり、さらに仕事用の建屋をたててそこへの配線工事をするためにどうしても必要になり、所得に挑戦しまし た。(もともと長崎の家では、最初は魚の販売用水槽を置く場所は無い予定で、本当はこの建屋をたててから生体の販売をする予定でした。) 私の周りにも、この資格がほしいという方が何人かおられましたので、ご参考になれば幸いと思い、以下にご報告させていただきます。 そもそも、私がこの資格を取ろうとしたきっかけだけは別にありまして、昨年10月頃、LED電球を取り付けるときの電球用のソケット(レセプタクル)に、この”器具は電気工 事士でなければつけられません”と書いてあったことでした。 うわ〜あかんのかと思ったのですが、実はこれは住宅などに直接設置するときのことで、私が取り付けたのは水槽のラックでしたので、いわば”電気スタンドの自作”に該 当するもののため一応問題はなかったのですが、このときからこんなものくらい堂々と取り付けられる資格が欲しいと思いました。というか、これまでごく簡単な配線工事に まで資格が必要と知りもしなかったという無知の極みでした。 はじめてテキストを買い、少し勉強をはじめましたが、最初の項目載っていた電気の基礎気論はとても難しくて、何日か勉強したのですが、挫折してしまいました。 その後、引越しが決まりました。実際には引越しをして今の家の中になんとか水槽を置いて生体の販売を再開しましたが、引越し前は、庭に倉庫などの建屋をたてないと 水槽が置けない予定でした。また、拡張のためまもなく自分で建物をたてるつもりですが、当時から「自分で我が家を作る本。」というご自身で家を建てられた方の本を買い 、参考にさせてもらっていました。そしてこの本でも、家を自分で建てられた著者の方が第2種電気工事士の資格を取られており、これだけはセルフビルドにぜひ欲しい資格 と書かれていました。(この本は、ちょうどこれから建屋を立てるために必須の生きた教科書、バイブルです。) ※本の表紙画像を掲載しておりましたが、著作権侵害の恐れがあるので取りやめました。<(_ _)> これで、やはりこの資格は取らなければ・・と思いました。電気工事はエアコンのための線を一本引っ張ってもらうためでも、家電量販店の値段でも1〜1.5万円くらい はかかります。まして、倉庫や家建物一軒分を依頼すれば、相当です。実際、この家でも引っ越してすぐに電流容量の増加のためのブレーカー交換・大本の線の引きなおし の工事だけで、こちらで教えてもらったごく良心的な工事屋さんでも8万円くらいかかりました。(とはいえ、この工事だけはもともと依頼しなければなりません。) 以後は自分の倉庫の工事、家の台所はじめ各所のスイッチや電気工事がありました。自分で資格をとれば、意義のある技術と知識が身につき、しかも以後の工事費はか かりません。また、少し調べてみたところ実は勉強の仕方でかなり楽に取れることもわかりました。といいますのは、普通のテキストは先のテキスト同様に学習内容の中で 一番難しい電気の基礎理論からスタートし、あとほど、器具や法令を覚えるだけの楽な内容になっていっており、最初で挫折してしまう方が多いのだそうです。 私もまさにそのパターンでした。実は、この基礎理論は試験問題でも仮に全部出来なくても他の問題があっていれば通るというのです。筆記試験は全50問で、このうち基 礎理論は5問です。100点満点で、60点以上が合格ですので、30問正解なら通ります。 そして昨今の人気のテキストでは本来の学習順序のほぼ逆に教え、簡単なものからスタートしており、普通に勉強していれば十分通るということを知りました。 このとき、ちょうど3月の偶然にも受験の申し込み受けつけ期間の数週間内でした。思い立って、急ぎ願書を出しました。 試験は筆記試験(前期)が6月3日、仮に合格したとしてそのあとに技能試験があり、7月28日でした。これに合格すればはれて資格がもらえます。 筆記試験まであと3ヶ月、しかも今から引越しと家の修理があり、商売の建て直しもありましたため、あまり自信はありませんでした。試験には後期もあって、もう数ヶ月 勉強の期間を伸ばせたのですが、後期の日程では資格を得るのが今年末になってしまい、家の修理にも差し支えそうでした。またそれだけでなく、こういう立て込んだ状況 でも自分がなんとかこなせるかということを試すためにも、少し厳しいながら挑戦してみました。 購入したテキストと勉強の計画 そこで、3月末ごろ、再度勉強をはじめました。ただ、3月末はもう引越しの準備で荷作りと仕事の毎日でしたので、計画をたてました。 まず、3〜4月はおそらく引越しと仕事の再開、家の修理で、机にすわってしっかり勉強する余裕はないだろうと予測しました。そのとき、電気工事士の試験勉強のとっかかり に役立つ(実際に覚えるべき内容はほとんど入っています。)マンガの本「マンガでそこそこわかる第2種電気工事士 筆記+技能入門」を見つけ、まず4月末日まではこれを 読むことにしました。主に乗り物の中で読むことが多く、家を探して長崎と大阪の往復する高速バスや、また引越ししてからは寝る前の30分ほどと、マンガの中にもあります が、便所の中等で読むのが精一杯でした。^^;仕事で疲れているとそれ以外の時に読むのもつらいものがありました。4月末までで毎日重複しながらやっと1回熟読したくら いだと思います。もちろん、この段階ではほとんど記憶にはなっていません。雰囲気がつかめたくらいでした。 5月に入る前に、本格的に筆記試験のための勉強をするために上記マンガの中で推奨されていたテキスト「第2種電気工事士筆記試験 すいーっと合格」というテキストを 購入し、5月からは毎朝仕事に入る前に1時間程度、勉強を始めました。だいたいの内容を見ながらページを割り振って、5月下旬までには一通りの学習が終わるようにペー ジに確実こなすため、ページの折り目を入れました。仕事や他の事情で勉強が出来ない日もありえますので、できる日はできるだけ前倒しでやることにしました。
たしかこの頃に、家に受験票が届いたと思います。(写真は、筆記試験用と後の技能試験用の両方を写していますがこの段階では筆記試験用だけが届きます。) 内容には、道具の名前や役割などを覚えることも多く、工作の経験上、もともと知っているものも多かったので多少楽だったと思います。 なんとか5月下旬に一通りの勉強を終え、練習問題や過去問題もし、間違えたところを重点的に覚えて試験に臨みました。それでも、電気の基礎理論は今ひとつわかって いないところがありました。ただ、過去問題では一応常に70〜80点以上は取れていましたので、なんとかなるか、というところでした。 筆記試験当日 6月3日、長崎大学で12時頃から筆記試験がありました。この日は朝から、町をあげての脇岬海水浴場の資源ゴミの収集活動があり、それも参加してから、家に帰り、 バスででかけました。そして長崎駅前から、路面電車で長崎大学前まで乗るのですが、緊張していたのか、私はうっかり乗り過ごしてしまい(←アホ)、急いでもどってきま した。多少余裕をもって家を出ていて幸いでした。^^; 長崎大学には今日の試験の看板が立っていました。思えば、学校の門をくぐるのは母校を卒業後、先生に会いにいったりした最後、数年前でしたか・・。 若々しい学生さんを見ると、もう少し花のある学生時代をおくるべきだったかなどと下らんことを考えながら、試験会場に向かいました。 会場には、高校、中学生と思われる大勢の生徒さん達が先生と一緒に来ていたり、壮年の方もかなりおられました。 ただ、試験をうけたとき、唖然としたことがひとつありました。後の技能試験の時は、夏場ですので熱中症防止のため、特別に飲み物を試験中に飲むことを許されていたので すが、筆記試験の時はそれはなかったはずなのですが、何人かのひとがジュースなどをのみながら試験を受けていました。 運転免許の警察での試験などでは、不要なものを机の上にだしていれば即退場ですが、注意されずともそんなことは常識ではないかと思います。資格試験という厳粛な 席で、平気でジュースを飲みながら試験を受けるという態度は少々、世の中をなめているのではと思いました。 また、試験は各自終わったら途中退室してもいいことになっていましたが、本当に、皆さん次々と部屋を出て行くのです。最後まで残っていたのは半分も居なかったように 思います。私にはこれも意外でした。もちろん個人の自由ですが、多くの方にとって、おそらくこの試験・資格は自分の将来にも関わっているはずで、もし失敗したらもう一年 を待たなくてはならないのに、あと残りのわずか数分〜十数分を試験問題の見直しに使わずに部屋を出て行くという姿勢というのは、私にはできない事でした。ベストを尽 くすというのは、慎重さも同様で、試験中の5分と、終わってからの5分はまったく価値が違うというのに、またそういう慎重さと意識で電気工事というものをするのはどうなの だろうかなどと、私も貴重な時間でいらんことを考えてしまいました。orz 余分かもしれないことを申し上げましたが、試験問題は全50問のうち、例年通り難しい基礎理論の問題が最初にでてきましたが、最後の簡単な暗記問題からかかります と、最後に冒頭の基礎理論をする時間が十分にできました。問題用紙は以下のようなものでした。
家に帰って、ネットで調べてみるともう回答が表示されてました。85点くらいが取れていたことが分かり、合格とわかりました。C=(^◇^ ; ホッ! 数日後、合格通知と技能試験の受験票がとどきました。 技能試験準備 筆記試験が一応受かってほっとし、技能試験は約2ヶ月先の7月28日でしたので、しばらく勉強は休み、仕事と家の修理に専念することにしました。技能試験は、あらかじ め示された課題の電気回路の作成物を40分の制限時間内につくるものです。 この候補問題(13問)は毎年先に公表されるので、前もって勉強しておくことができます。とい うより、この13問を練習することで、技術が身につくように意図されているのではないかと思います。 技能試験の作成方法はだいたい分かっていましたので、テキストは購入しないつもりでしたが、やはりここまできたら念をおしてできるだけのことはしたいと思い、6月下 旬頃、上記筆記試験の同じシリーズで技能試験用のテキストを買うことにしました。あと、試験をうけるための作業道具が必須でした。意外と持っていないものが多く、ほぼ 全品を購入しました。 ケーブルの皮を剥くためのケーブルストリッパなどは種々えらべましたができるだけ使いやすいものを買い、合計で¥10000前後でした。 (追記)購入したもの:電工ナイフ、電工ドライバー+および-、リングスリーブ圧着工具、ケーブルストリッパー、ウォーターポンププライヤー※、ペンチ※ (※これらはもともと持っていましたが、新規一転で買いなおししました。) ※ケーブルストリッパは、多少高価でも便利なタイプ(下の写真の左から2番目の青いもの)を選んだほうがいいと思います。 また試験の練習のための電気工事の部品や線類などが電子パーツ店などで詰め合わせのセットが¥10000前後が販売されていますので、これも購入しました。
6月初旬から、技能試験用のテキストに従い、毎朝一問づつ練習問題を作成していきました。 作成する電気回路は、多くが似た部分ですので、全13問を一回つくればほぼ腕が覚えて時間もあまってきます。ただ、うっかりミスをしそうな落とし穴が随所にあり、重大な ミス(重大欠陥)をするとそれだけで不合格、軽度な欠陥(軽欠陥)は3つで不合格になります。 慣れてきてからは注意が必要でした。私はドライバーの裏に、シールでチェックすべき作業の注意点を張っておきました。 技能試験当日〜合格確認まで さて、技能試験は筆記試験の時より少し早い時刻でしたが、余裕をもって1時間くらい早く到着し、テスト会場では待ち時間に候補問題の回路図(複線図)をすべて書いて トレーニングをしておきました。 ついに試験がはじまりますと、何十人という人が一斉に作業をはじめますので、ガタガタガタ!!とものすごい音がしました。ヽ(*'0'*)ツ 何かまわりがすごい速さで作業を しているような錯覚を覚え、すっかりあがってしまい、なかば冷静に考えられなくなってましたが、自分の手は、作業の手順を覚えているのです。頭がついていっていない のに、作業だけが進んでいくという不思議な体験をしました。どうでもいいのですがこの試験の最中、最近見た「海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン」のギャバン のかっこいいシーンが音楽つきで頭を何度もめぐるのでありました。^^;昔から、神経のあせる試験などのとき、時々こういうことがありました。が、意外にもこれが緊張をあ る程度のところで抑えてくれているようにも思え、このときは結構うまくいくのです。守護霊様のお計らいかしらと思うくらいです。 出された技能試験の問題用紙は以下でした。右下は私が試験中に書いた複線図です。
作業は十分余裕をもって終わり、残り時間はひたすらチェックをし続けました。まず大丈夫とは思うけど・・と少し気になった箇所の結線を一部やりなおしました。 試験時間がおわり、周りを見たとき、一瞬血の気がひきました。試験問題では、200Vのコンセントに対する結線箇所がありました。200Vには普通の交流100Vにある ”極性”というものが無く、2本あった黒と赤のコードをどちらにつないでもいいはずなのですが、周りにいた同じ学校と思われる学生さんは、私がつないだものと逆のつなぎ 方で皆同じつなぎ方をしているのです。はるか向うの方に、一人だけ私と同じつなぎ方をしているように見えた方がありました。 「うわ〜〜やってしまったか・・・。」と思い、試験を終えてすぐに自分の参考書の同じ問題の回答を見ましたが、やはりどちらのつなぎ方でもいいことになっています。 一応安心しましたが、なにか問題に指示があって、読み間違いでもしたか・・とかなり不安でした。 でもまあ仕方がないとおもって、だいぶ後日になってから、試験センター発表の回答を見ればはっきりするということに気づき、恐る恐るチェックしてみまたら、やはりどちら でもいいことになっていました!!^^ほっとして、これでうかる可能性もある!と一安心しました。 9月7日に、試験センターのホームページで合格者を確認できるようになりました。祈る気持ちで自分の受験番号を打ち込むと・・・・ ”この番号は合格者の一覧にあります。”という有り難い表示がでました。そして数日の9月13日後、合格通知も無事に届きました。 お蔭様でなんとか受かりました。^^V 県庁へ申請に 試験にうかりましたら、都道府県知事に免状の申請をしなければなりません。そのため、今一度長崎の県庁へまいりました。ここでまた、申請費用(証紙購入代)として、 ¥5200かかります。(;;)このとき持っていくものは、証明写真2枚、住民票、印鑑、合格通知書、申請書、証紙¥5200分です。申請書と証紙はそれぞれ県庁でもらえ、ま た買えます。これを提出すれば、数週間でやっと免状が郵送されてくるということだそうです。 (9月30日追記) 免状到着^^ 申請に行って約2週間後の27日頃、待望の免状が到着しました。^^ 各費用のまとめ ここで、資格所得までに必要だった費用をまとめておきたいと思います。 願書の出願費用:¥9,300 工具代(電工ナイフ、リングスリーブ圧着工具、ケーブルストリッパ、ペンチ、電工ドライバー2本):約¥10,000 テキスト・参考書 計4冊(うち最初の1冊は不要) ¥1800+¥1900+¥1500+¥1500=¥6,700 技能試験練習用のパーツセット:¥9,800 (申請時) 申請代 (証紙¥5200分)+住民票¥300 = ¥5500 ※証明写真を別途撮る場合はその費用 交通費:(脇岬町〜長崎大学まで往復) (バス代¥630+路面電車代¥120)×2(往復)×3回=¥4,500 ------------------------------------------------------------------------------------- 合計 ¥45,800 以上ですが、工具では電線の皮を剥くケーブルストリッパに数種あり、私はやや高価で使いやすいものを買いましたが、電工ナイフで行うなど安価なものもあります。 感想 試験を合格するのは決して難しくなく、私のように高校の成績でかなり苦労したものでも、普通1日に1時間程度勉強したとして筆記試験の勉強が余裕をみて2ヶ月、技 能試験の練習が1ヶ月程度の勉強で十分得られる資格(試験)だと思いました。 上記でテキストを紹介しましたが、別にどのテキストでも十分だと思います。ただ、普通のテキストの場合、最初に出てくる電気の物理的な基礎理論だけは最後に勉強し たほうがいいと思います。最初にこれをしてしまうと、もともと得意な方はいいのですが私のような頭の悪いものは気分的に挫折してしまいます。 忙しい毎日で一日1時間の勉強時間を作るのは難しいかと思っていましたが、毎日の習慣にしてしまいますと、この忙しい期間でもそう苦ではなくなりました。億劫なこと をはじめる最初の勇気さえ持てばなんとかなるものだと思います。 毎年、筆記試験の合格者がだいたい6割、さらに技能試験の合格者が6〜7割くらいだそうです。決して狭き門ではないと思いますので、ぜひDIYで電気工事をされたい方、 にはお勧めです。私は全くお先真っ暗の自営業者ですので、こういう資格を得るのは初めてで、少しは心強く思いました。 ちなみに、この資格をもっていると、家やお店に一般的な電気工事自体はできるようになりますが、電気工事店を開くには、電気工事店に3年勤め、主任電気工事士の資 格が必要だそうです。 とりあえずの使用予定 冒頭にも申しましたように私は生活と仕事のために止むに止まれずにこの資格を取りました次第です。今年とれなかったらどうしようかと思っておりました。 まず、古い痛んだ台所のキッチンの入れ替え工事を自分で行うのに必要です。うちは引っ越し以後、カセットコンロだけでやっているような状態です。^^; ガス関係はすべてガス屋さんに法律的・安全性の双方でお願いしなければなりませんが、それ以外の大工仕事と水道、電気は自分でできます。 台所などに設置している蛍光灯器具ですら、固定された器具はこの資格が無いと本来は設置できないようです。 次に、家全体の古いスイッチやコンセントが、なにしろ40数年ものですので、順次新しいものに交換したほうがよさそうです。火を噴いたら大変です。^^; さらに、自分の仕事の水槽などを設置するためにセルフビルド予定の倉庫・建屋への配線にも必要です。 また、引っ越し以後、お世話になったまわりのご近所の方々にも、もし何か差異にはお役にたてるかと思います。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 以上、ご報告でした。私の周りでもこの資格を本当は取りたかったという方が何人かおられましたので、ぜひご健闘を祈っております! |