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工作・実験・アイディアの部屋 |
記述開始:2015年8月3日 (分かりにくい追記・訂正部は、ピンク色の文字にしております。) |
ここでは主に水槽やシステムの工作方法で、当店が過去、主に自社のシステムなどに施工してきた工作例方法で、一般の方に役に立ちそうな部分を掲載していきます。^^
水槽システムだけでなく、間接的に関連した工作物ものもあわせて紹介したいと思います。
索引
●エアコンを活用した効率的な冷却(当店の水槽の場合)(2017/7/26 ●水槽を横につなぐ種々の方法 ●屋根の色と表面温度の関係2015/8/10
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ●エアコンを活用した効率的な冷却(当店の水槽の場合)2017/7/26 本当に永らく、こちらに追記がなく、お恥ずかしい限りでした。<(_ _)> 先日、フェイスブックもはじめたことですし夏向きの記事を今年こそは役立てて頂ければととおくればせながら書いております。 改めまして、当店は一応海水魚屋でありサンゴ養殖などをやっておりますくせに水用・魚用クーラーを現在、一台も使っておりません。(ついでにプロテインスキマーも使 っておりません。^^;) 無論、絶対必要なら用いるのですが、2014年の夏からにエアコンをうまく用いれば水も部屋も水も普通にエアコンをもちいる以上に冷却できることがわかり、以後はエアコン のみを用いることにしております。エアコンのクーラーで水温を維持することは昔から行われており、私自身も随所で記事にしてきましたが、同じ部屋で冷却するにしても、ちょ っとした使い方で水温が何℃も変わることがわかりました。 観賞魚用の専用クーラーを買わなければならないか否かは、海水魚・サンゴ飼育を経済的にできるかできない かをかなり左右することがあり、少しでもお役に立てて頂ければ幸いと思います。 ※毎度本当にすみませんが、これらの記事はあくまで利益を度外視した参考記事につき、一切自己責任での利用の原則をお願いいたします。 ・水・または水槽にできるだけ直接に冷風をあてる! 水槽のある部屋でエアコンをかける場合、その冷風が直接水槽にあたるようにするかしないかで、水温が大きく変わってきます。考えてみれば当たり前なことですが、 なんとなく、私もそうですが器具があれば普通に作動させるだけでよしと認めてしまって、それ以上の有効な使い方に案外、無頓着になる場合が多いです。 先にも述べましたように、当店では以前からエアコンだけで夏の冷却を行っています。 下の写真は現在の水槽システムですが、ごちゃごちゃしておりすみません。だいたいの位置関係・設置状態などです。 まずメインに右側の養殖サンゴシステムとして複数の水槽あわせて合計1300L、その他の生き物用のシステムとして概ね450L程度の大きく2システムで主に運転を行っ ています。エアコンは、養殖サンゴシステムに設けた冷却専用水槽(※後述します)をまず直接冷やすようにセットしており、その冷風がその他生物のシステムにやんわりと あたるようになっています。
各水槽にはLED照明が多数ついており、室内で合計約1000wくらい用いています。ただし上記の写真(右)のように送風ファンや小型扇風機を随所にもうけて、水槽に直 接的に熱が伝わらないようにしています。 照明時間は通常は8時間、夏場のみ5〜6時間です。エアコン(クーラー)は2.8kタイプで、約10〜12畳用です。この部屋自体は約18畳程度ですので、もともとルームエア コンとしての容量は足りておりません。建物は、自分でたてたもので特に断熱がよいわけではありませんが、平屋一階建てです。だいたいこのような条件です。 エアコンの冷却専用水槽 その中で、メインの養殖サンゴシステムに、エアコンの風を直接うける冷却専用の水槽(現在はサンゴも飼育しています。)を設け、下記のように水槽の真上にセットし、 もちろん水槽はフタをせず、冷風が直にあたるようにしています。 (冷却層の大きさは120*45*10cmで、毎分5L程度の通水です。) こういうことをする水槽の場合、周囲やエアコンへの悪影響を考慮し、エアーレーションや水面から飛沫が飛ぶようなことは一切、厳禁とする必要があります。
この状態で、2017年7月25日前後、日中の最高気温が32-34℃前後の毎日で、下記のような水温(7/25)です。※エアコン設定は25℃にしています。 エアコンの電気代 エアコンの電気代ですが、これはあくまで概算になりますので、参考程度にお願いします。 通常の空調をきかせていない時期から差し引き、上記の水槽部屋のエアコンだけの電気代を概算で出したところ、夏場は月にせいぜい¥5000〜¥6000程度と思われ ます。当方では、夏に入り一旦ルームエアコンを作動させたら、一シーズンほぼ連続つけっぱなしで運転しています。 ちなみに、冬場よりは夏場の方が電気代が安いのが恒例で、もっとも寒い1〜3月の冬場では当方では毎年、¥15,000前後、高額になります。 クーラー本体の費用などと考慮する検討 結局、海水魚の水槽のためになんらかの冷却を考えるなかで、もちろん観賞魚用クーラーを用いるのは普通の手段ですが、上記のようなことから、ルームエアコンも大きな 選択肢になりえると考えています。 上記で、養殖サンゴシステムだけで見ても、かなり照明もつけている1300L(+その他の生物水槽の間接冷却450L)を部屋ごと冷やせています。特に、今は照明がLEDが 主流になってきて、かつてのメタハラなどよりずっと低温、低ワット数で照明できるため、よりエアコンには有利な状況になったといえます。 もし1300Lもの水量をまともに鑑賞魚用クーラーで冷やそうと思いましたら、10万円をゆうに超えるクーラーを考えなければなりません。2.8Kのエアコンの場合、工事費込 みで、安ければ¥70,000程度、6畳用の2.2kタイプなら、5万円を切ることも珍しくありません。そもそも、お部屋に最初からついていることが多いため、新たな購入の必要すら ないという状況も多く、もともと人が普段から利用する部屋であれば、さらに有効に電力・電気代をつかえることになります。 また鑑賞魚用クーラーの場合、室内にセットすれば熱気を室内に出してしまうため、その点も効率が悪いことになります。 一見損に思える電気代も、当店のような結構な規模でも1日せいぜい¥150〜¥200程度です。単純にランニングコストだけ計算すれば、確かに水槽だけ冷やした方がとくな 場合もありえると思いますが、一般的な6〜8畳の部屋で、一シーズンでエアコンの電気代を多く見て¥15000前後として、クーラー本体を新たに買う費用を考えると、むしろ 得と言えない場合も多いでしょう。 さらにこれとも関連しますが、本体寿命の問題もあります。これは器具やメーカーによって全然違いますが、鑑賞魚用クーラーの場合、レイシーなど、いいものなら10年くらい はもつようです。(観賞魚クーラーの評判は人によって、正直かなり差異があるのですが、平均的なところで判断しますと、耐久性ではレイシー、またゼンスイのZCシリーズは 高級ですが効率ともによいといえます。ほか、GEXも比較的安価なわりに効率も耐久性も案外悪くないようですが、毎年のようにマイナーバージョンチェンジ゙しているため、確 実なことが言えません。)ただ、安価な観賞魚用クーラーは下手すると大事につかっても1〜2年でなにかしら故障がおきることも非常に多くあります。 ルームエアコンは一般的に10〜15年くらいは使えます。そういう意味で、本体寿命の点でも、大手メーカールームエアコンの方が有利といえましょう。 個人的には、日立、パナソニック、三菱電機(霧が峰シリーズ)などがおすすめです。(※三菱”重工”のビーバーシリーズは昔から本体が少し安かったので家でよく使用してい ましたが、トラブルが結構ありました。) ちなみに当方の水槽用に使っている上記のクーラーはパナソニックです。 補足・まとめ 上記では、冷却専用層まで設けている当方の例をご紹介しましたが、そこまでしなくてもエアコンのすぐ近くに水槽をセットし、そこにエアコンからの風を直接あてるようにす るだけで効果は極めてあがりますので、水槽をセットの際考慮いただけますと幸いです。また、ライトなど器具も冷やせることが多いため、その意味でも効果が高いです。 またエアコンからは当然設定温度よりずっと低い温度の冷風がでているため、室温設定より水槽の温度低下することもあるため、効率的であるとともに注意が必要でもあり ます。 なにか、ルームエアコンだけを応援するような記事になってしまいましたが、決して鑑賞魚用クーラーが悪いわけでもなんでもなく、そもそも水温を正確にコントロールできる という重要な意味では、観賞魚用クーラーが何よりです。また、本体を室外に設置できれば、大変効率のよいものになります。また大変広いお部屋に、小さな水槽をひやす ためにエアコンをつけっぱなしというのはやはり無駄が多いと思いますので、状況にあわせて判断いただくとよいのではと思います。 ただ、水温を下げる場合、かならずしも観賞魚専用のクーラーがなければ海水魚やサンゴが管理できないということはなく、ほかにも十分に有効な手段があるというくらいに 考えていただけますと幸いです。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- |
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※2015/8/22一応加筆・修正し、一旦完成しました。さらに追記予定です。 ※2015年7/14 お知らせ記事から追記して掲載しています。 書きかけのような変な状態でしばらく放置しており申し訳ありませんでした。 改めまして、主にアクリル水槽で、水槽の横に穴をあけて水が通うように水槽を連結したい、ということが当店では昔からしばしばありました。 その際には色々な工作の方法があり、普通はそう苦労をしません。ただ、思わぬ条件が必要になる場合もあり、工夫する必要がありました。 また基本的にこういうことをする場合、たとえば水槽自体やパイプをもう接着剤やシリコンで硬く合体させることもできなくはないのですが、後々のことを考慮して、一応、 とりはずせるような便利な手法で手軽にできる方法をとることにしています。また、水槽は基本的に加工できるアクリル水槽が対象です。※ガラス水槽に行う番外編も最後に 記述します。それでは、一般的なものから、よく当方が以前から行ったものをまず以下の図から、方法@〜B順に紹介します。
方法@ ですが、これは2本の水槽を間隔なく、ほぼピッタリくっつけて連結したい場合によく行う方法で、水槽と水槽の間にサイズの合う水道用などのパッキンを1枚だけ挟んで 、塩ビパイプのバルブソケット(タケノコ)と給水ソケットで締め上げます。 方法A これは主に水槽と水槽の間隔が十分に(パイプのサイズにもよりますが30cm程度以上)あいており、かつ人間の手を入れられて作業ができる場合 に用います。必ず、給水ソケットを水槽の外側にして、防水にサイズの合うパッキンを挟みましょう。 もちろん、こういう給水ソケット・バルブソケットでしめあげて取り付ける方法以外に、水槽に直に直管パイプを接着・塩ビ溶接などしてとりつけて、ホースやアキ レスジョイント、洗濯用のジャバラホースでつなぐ方法などもあります。 ※なお@、Aの方法は、水槽の手軽なOF加工にもつかえるものですが、この場合は、バルブソケットと水槽の間にも、パッキンやOリングなどを挟まないと、ほんの僅か づつですが、水がパイプの内側に落下してきます。あまりそういうことはないと思いますが、水槽に水を入れて循環しないで何日も放置すると水槽の水が濾過槽におちて きてしまいますので注意が必要です。 方法B これはかなり面白い方法で、私が過去に苦労して編み出した方法、というより苦肉の策でした。(当ページの記述中に最初から書いていた方法でもあります。) これは、”2本のアクリル水槽の間が中途半端に(1〜20cmなど)空いており、かつ、水槽を一旦置くと、もうその間に手などを入れることができず、かつスペースの問題 で水槽からなんらかの”出っ張り”も出せない、(出すと水槽の台の足などがひっかかって、入らない)、というような状況で、双方の水槽をパイプでつなぎたい、かつ後々着 脱もできるようにしておきたい、しかも接続にある程度の柔軟性をもたせたい、という無理スジの極地のようなことを解決する接続方法です。 ただ、工作にはある程度の技術や道具が必要となります。 加工法は以下に写真とともに記述しておりますが、まず、ウルトラユニオンという継ぎ手を切断して用います。これを2本の水槽のパイプを取り付けたい同じ場所に穴を あけます。この際、ピッタリの穴をあけて接着、あるいはあとから塩ビ溶接などしてとにかくしっかり固定します。そして、水槽を実際にセットしてから、水槽の内側から、 串刺しするようにパイプを通して、双方のユニオンのネジを締め上げて固定します。実は、双方のパイプは上記の図のようにOリングとの接点だけで固定されており、 ウルトラユニオンの内部には突き通したパイプとの間に少し間隙があるため、固定してしめあげた後でも、パイプが多少、斜めに柔軟に動く余裕があります。 これが、双方の水槽に若干の場所のずれなどがあっても対応できるので、大変都合がいいです。以下、実際の工作です。
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●屋根の色と表面温度の関係 2015/8/3 いきなり、水槽・海水魚とあまり直接関係のない記事で恐縮です。これは当店の養殖サンゴ水槽の作業場としているセルフビルドの建物の、屋根の色と、太陽光に蓄熱 による温度上昇についての検証記録です。屋根の色は、できるだけ明るく、白に近い方が太陽光をうけたときの蓄熱による温度上昇が少ない ことがわかっていますが、それがどれくらいか、また板の裏側にどれくらい伝わるのか、改めて検証してみることにしました。 こちらでは水温維持≒室温維持のため、天井・屋根の温度は省エネに大きく影響があります。 2015年7月末、急な気温上昇からか、養殖サンゴなどを設置している水槽部屋(作業場)の自作のコンパネに塗装しただけの屋根から、豪雨の際に少し雨漏りが起きまし た。そこで、立ててすでに2年半が経過したこの屋根に、補修とともに、一度徹底的に塗装をすることとしました。 作業自体は、もれている板と板の継ぎ目の部分に、変性シリコンを塗り、次に全体を塗装するため、もともと白い塗装をしていた屋根に、ソフトサーフ(下塗り・中塗り剤) 塗装 → 外壁用のベージュの塗装(両方頂き物です。<(_ _)>) で仕上げようとお持ってました。(実際、ここまでの作業も実行しました。) (白ペンキの在庫がなかったので。^^;)ベージュなら白より少し濃いくらいなので、まあいいかと思っていましたら、日があたると結構熱く、 せっかくなので 他の色ともくらべ、表面温度の比較実験を行ってみました。 測定機器:A&D製 放射温度計 AD-5617 測定対象:12mmのコンパネ製の屋根で、もともとベージュ色に塗った部分、さらにその上にラッカースプレーで白、黒、シルバーに塗装した部分、また 白いプラダン (プラスチックダンボールまたはダンプレート)を乗せたものの表面温度、またその屋根板(コンパネ)裏側(屋外、ひさし部分)の温度を測定。(塗装、ダンプレートは前 日までにセット済み) 測定日:2015年8月2日 時間:10:15 気温:29-30℃ 測定結果:単位は℃ (右)測定と現場の様子
●考察・余談 白が温度が低いのは予想していましたが、ベージュが8℃も高いこと、また黒がすごい温度で手で触り続けられないほどでした。屋根の色がなぜ一般に濃い色をしているか は、実は薄い色では景観を乱すなどの問題だけで、特にほかに理由はないそうです。一般に室内には種々断熱が効いており、屋根の高さもありますのでそのまま温度が室 内につたわることはないとしても、それでも低いにこしたことはなくまた屋根材自体の温度での劣化も考慮すると、やはり本来はできるだけ明るい色がいいのではと思います。 今回は、やはり温度を考慮してもっていなかった白ペンキ(油性スーパーコート)を新たに購入し、ベージュの上からさらに塗りました。 追記2015/8/10 後の作業 やはり実際の行った補充・塗装作業などもある程度きちんと書いておくべきかと思いまして、追記させていただきます。^^; -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- |