RAYDREAM STUDIO・CARRARAについてのお話

私は、1997年の学生時代にはじめての3DソフトとしてRAYDREAMSTUDIO5を購入しました。
それから今まで、学校の行事、仕事、趣味などいろいろな用途に練習を兼ねて使用してきました。RAY
DREAMの自由形状モデラーは、不定形、有機的なデザインには不敵ですが逆に機械的な部品などの
作成には非常に使いやすく、正確です。一度に複雑な形をもつ1つの「完成品」を作るより、それを「部品」
に分けて作っていく、という見方をすれば、すばらしく効率的です。
しかしメッシュ形状モデラーは未だに苦手なので代わりとして六角大王を使用しています。
これがまた手に馴染むソフトで愛用させてもらっています。
そのせいかもしれませんが、いまやほかのソフトになかなか馴染めません。世間であまりにSHADEが
有名ですからmySHADE2を試しに買ってみましたがまったくなじめず、等々手放してしまいました。
人物アニメ専用としてアニメーションマスターも購入しました。これは絶対に慣れないといけないので苦
労しそうです。
他のソフトを使ってようやくRAYDREAMの良さがわかった感じです。先日やっとCARRARASTUDIO1を
手に入れましたのでご報告します。

現在の状況

CARRARAの特徴

使ってわかるRAYDREAM・CARRARAの特徴

他のソフトと比較した長所

サブモデラーには六角大王がお勧め

どんなものの作成に向いているか

現在の状況(MATUIKE氏の情報を参考にさせていただいています)!6/30

販売元の移動などで販売がストップしていたRAYDREAMSTUDIOとINFINI-Dの後継ソフトであるCARRARAが、

新しく設立されたEOVIAという会社から今月(6月18日)出荷されました。あたらしく出荷されたのは「CARRARA

STUDIO」という名前でAMAPIというモデリングソフトと色々なプラグインソフトが付属しています。

そして先日、CARRARA2も発売されました。今度はハイクオリィーのレンダリングエンジン、また今までかけていた

キャラクターアニメの機能が大幅にグレードアップされています。

まだ日本での販売代理店が決まっていませんが、いずれ日本語版が登場し販売されることでしょう。

以前より、かつてCARRARAを購入した人には、CARRARA Ver.1.Xというバグ修正版へ無償でアップデートでき

るようになっていました。

先日、やっとCARRARA STUDIOを海外から購入できたと思ったら、すぐに2が出ました。(あらら・・。)

ここでは取り合えずCARARRA STUDIO1.1のことを更新して書いてみたいと思います。

CARRARAの特徴

CARRARAは大幅にに改良された非常に魅力的なソフトであることは間違いないです。

RAYDREAMとINFINI-Dの合体・改良さらに新発売の

CARRARASTUDIOではAMAPIが加わりさらに多くの新機能・改良がされました。

以下に特にうれしい改良点をあげておきます。

赤字は特に他のソフトに少ない、また優れた機能

@レンダリングスピードが大幅アップ(RAYDREAMStudio5に比べ約4倍〜最大11倍速)

これはデータ量が大きいほど差が顕著になります。

Aレンズフレアが設定しやすく、さらにリアルになった。(infini−Dに近いということです)

Bもともと独特の美しさを持っていたレンダリング映像がさらにきれいになった(特に透過)

C地形・大気作成モデラーのフォーエレメントが標準でついてくる(うれしい!)

Dストーリーボードという機能で、アニメーションの一こまずつを表示・確認・操作できるようになった。

E新しいモデリング機能(メタボール、べベル機能、サブディビジョン、また以前のメッシュモデラーの機能増加)

Fモデリング、シェーダー作成、など各項目を専門に作成する「部屋」概念の導入
これにより、シェーダーなどは各項目を一見してみることが出来る。

HNURBSをもつソフト AMAPIの追加

Gその他新しい機能・・・モーションブラー、

欠点

さすがにRDよりはCARRARAの方が動作が重いです。といってもRD5が登場したときのパソコンのスペックが

300MHzくらいでしたので最近のCPUで使えばまったく問題ないでしょう。今、アスロンMPの1,800+デュアルで

使用していますが、テクスチャを張ったままの状態でかなり高速にプレビューでき、作業もほぼまったくストレスあり

ません。

使ってみてわかるRayDream・CARRARAの長所

現在,ミドルクラス価格のソフトでは、Shadeが大繁栄しています。しかしRAYDREAM STUDIO5(以下RDと略

は、販売していたときはかなり売れており、お店の人気コーナーにShadeと並んでよく売られていました。当時と

しては非常に豊富な機能や特殊効果の数を誇り、私も購入してから大変満足しました。

RDは中心的なモデラーとして自由形状モデラーがあります。断面から押し出してベジェで微妙な調整ができる

モデラーです。断面の形を決めた後、突き出した形を横や上から見て形を変形させます。変形のさせ方に、対

象、同一面で対象、フリーがあり、使い分ければとても効率的で直感的です。

ところが、「断面から押し出す」ということでは、一回のモデリングでは理論的に作れない、また非

常に作りにくい形があるわけです。しかし逆に、「作れる形」ではダントツの作業効率しかも数値で正確なモデリ

ングができます。自由形状モデラーの弱点を正直に挙げますと、たとえば「複雑に枝分かれしており,しかも分岐

点が滑らかな形」です。枝分かれしている以上、1つの自由形状としては複雑なものは作れず(簡単なものは可

能)、二つ以上のものとして個々に作れば接合点が滑らかに作りにくいということがあります。しかし、ここはメッ

シュ形状モデラー、(CARRARAではバーテックモデラー)で作るか,あるいは他のソフトで作ればいいことです。

ただし、実際使ってみると、多くのものが自由形状モデラーで作成可能で、私のギャラリーにある絵にあるオブジェ

はほとんど自由形状モデラーで作ってあります。

もうひとつ、人間が使う以上、「理論的にどんな形でも作れる」ということだけでは使いにくい場合があります。多くの

方がShadeを使用されていると思いますが、私はShadeにどうしてもなじめません。shadeでモデリングされた車など

仕上がりにとても魅力を感じますが、実際使ってみるとどうしても線形状の相互関係に混乱してしまいます。

RDの自由形状モデラーは、柔軟性では確かに譲りますが、「作業性」と「人の感性」にとてもマッチすると思います。

工業的な部品など不定形な曲線を持たない多くのものを自由形状モデラーで作成し、有機的,不定形なものは他の

モデラーで作るというのがベストだと思います。

ところが、私など購入前には、とにかく理論的に柔軟なものが良いように見えるものでした。

他のソフトと比較した長所

前項とも重複する点がありますが、ポイント的に、RDシリーズ(むろんCARRARAも同様と思われます。)を他の

ソフトと機能性、使用感を比較しての平均的な評価をしてみたいと思います。

ちなみに私はRaydream、六角大王スーパー2のほかに、truespace、Shade、アニメーションマスター、メタ

セコイヤ、POSER3などを使用し、使用感はそれらから比較しています。

<全体的に>

・動作はデータが増えてくると他のソフトより若干重いが、「重さ」はなれることが出来る。ただし、昨今のマシン

はRDが発売されたときより比較にならないほどスピードアップしており、ほぼ問題は無いと思われる。

しかし、多くのソフトにあるように自分の直感や感性に合わない操作性はなかなか慣れにくいが、その点RDは

かなり優れている。

<モデリング>

・自由形状モデラーはまず断面の他の自由曲面のソフトに比べ、平面から押し出す形をとるので出来る

形に理論的に限界はある。しかし、「出来る形」に関しては作業性はきわめて高く、直感的にベジェを利用し常

に自由に、正確かつすばやく作成できる。たとえば、断面が円形のカクテルグラスのような形は、まず大まかな

形は、少し慣れていれば1分かからないし、微妙な形の調整も手軽に出来る。

(私の場合、はじめて使用したときは断面の円なら円、四角なら四角とひとつの断面だけで行ってましたが、慣れ

るにつれ複数の断面を使っていきました。)

・メッシュ形状モデラーはCARRARではかなり改善されているが、一般のポリゴンモデラーに比べ手になじみにく

いという感がある。しかし、六角大王との相性がとてもよいため(色違いが別パーツとして読み込まれ、バグや穴

もひとつも無い)、併用するときわめて便利である。六角大王の手になじむ感はおそらく数あるソフトの中でも最高

のひとつである。

・ブーリアン可能

<配置・組み立て>

各移動が直接の移動だけでなく数値入力可能なので正確に行うことが出来る。複数画面表示でも自由に可能

<シェーダー>

・有名な話だが、シェーダーは基本的な要素はもちろん、調整可能なランダムの大理石、木目、細胞、スポット、

またテクスチャなどが各要素にマッピングとして張り込みが可能。さらに混合が無限に出来、混合の仕方に上記

のランダムの要素を使うことも出来る。非常に自由度が高く、無限に作成可能。ディスプレースメントが出来ない

ことぐらいが欠点である。

<レンダリング>

スピード・・・RDはレンダリングが遅いといわれるがそうでもない。平均的である。ただし、のアダプティブレンダラー

はレイトレーシングよりかえって遅いので注意。当時多くの雑誌がアダプティブで測定していたはず。

CARRARAではスキャンラインとレイトレを混合したハイブリッドレンダラーが飛躍的なスピードアップを実現した。

品質・・・品質は平均以上で美しい。特にアンティーク的な落ち着いたもののレンダリングは得意のような気がする。

透過は苦手と聞くが、設定次第でかなり良くなる。アンチエイリアスの「精細」は「高速」より僅かにきれいだが、時間

がかかるため、「高速」がお勧め。

<特殊効果・物理効果>

これもRD、CARRARA得意の分野。光学的なフィルタ、爆発・変形など多くのデフォーマ、またアニメーションに関する

多くの動作シュミレーションセットなど、昨今はかなり安いソフトでも多くの特殊効果がつくようになったが今でも負け

てはいない。無論CARARRAではさらに増強され、特にレンズフレアはINFINI−Dの物を改良し、さらに設定しやすく

、リアルになった。

<アニメーションなど>

出力ファイルにGバッファ、アルファチャンネルなど設定可能。

サブモデラーには六角大王がお勧め!!また、CARRARA STUDIOにはAMAPIがついてくる!

有機的な形を作るモデラーでは、RDのメッシュ形状モデラーを使えばいいし、多くの人が使っておられると思いますが、

Shadeもよう使わない私はRDのメッシュ形状モデラーも苦手です。

そこで最も重宝しているのが「六角大王」および「六角大王スーパー2」です。スーパー2はごく最近購入しました。

フリー版の「六角大王」の使いやすさはそのままに、機能が大幅にアップしています。購入を検討されている方のため、

以下にフリー版よりアップされている機能を紹介しておきます。

@グリッド、色、画面など全体的な各調整が項目が増え、また格段に細かく出来るようになった。4画面表示も可能。

またポリゴンのチラツキもない。

Aオブジェクトのレイヤー機能の付加(強力!)

Bサブディビジョンサーフェース、また普通のポリゴン分割、また分割した部分を滑らかにする機能(強力!)

C非対称、対象物の作成、また斜めから見た2Dのキャラクターなどをなぞって作る線画から作成できる3Dマンガ機能

Dブーリアン機能

Eテクスチャの貼り付け、また便利な等高線表示が可能

Fレイトレーシングソフトが付属

Gファイル入力 DXF、フリー版六角大王、LIGHTWAVE 

 ファイル出力 DXF、フリー版六角大王、LIGHTWAVE、VRML 1.0、2.0、3DS、Wavefront obj、X、ロック形式、

 テクスチャ展開図、BMP、その他専用レンダリングソフト用 など

しかしフリー版でも、六角大王の一番大事な良さ、すなわち手に良くなじみ、直感的で単純明快、軽いといったことは十分

理解できます。

また、CARRARAの販売元であるEOVIAからは、AMAPIという伝統的なモデリングソフトが発売され,、今回発売されるの

新しい「CARRARA STUDIO」にも付属してきます。少し調べたところでは、AMAPIは有機的なモデリングと得意とし、

古くからNURBSを使用できたようで、メッシュ形状モデラーの弱点を補うにはぴったりかもしれません。

Raydreamシリーズはどんなものの作成に向いているのか

RDやCARRARASTUIDIO1.1は、モデラーからも、また特殊効果など他の機能を見ても、有機的なものの作成より無機的なものの作成に

向いていることは試用された多くの方が実感されたと思います。ただし、あくまで静止画なら人間など有機体の作成にもまったく

問題ないと思います。ただし、この点はCARRARASTUIDO2で大幅にグレードアップされています。

また有機的でない無機的なアニメーションにも特化して向いているといえるでしょう。RDのときからある豊富な物理シュミレー

ションはまさしくこれに大いに役立ちます。宇宙での艦船の戦い、乗り物の動きなど、特にCARRARAの新機能「ストーリーボード」

はこれにかなり役立つと思います。

個人的にですが、CARRARAでLIGHTWAVEや3DStudioMAXなどの高価なソフトに負けない宇宙などのアニメーションを作ること

は十分可能であると思われ、かえって得意ではないかと思います。そう考えながらこれらのソフトに対抗して作るのも楽しい気が

します。

CARRARは他のソフトと比較し、特に面白い位置付けソフトになることは間違いないと思います。

価格的にはミドル価格ですが、高価なソフトに、勝っている部分も大いにあると思います。

実際レンダリング品質はRDの時から独特の美しさで、とても魅力を感じます。

SHADEとまったく違った構成・概念で作られている感があるこのソフトはおそらく一番のライバルになる気がします。

SHADEもR5になり、世間では盛況です。全国のRD・INFINI−D・CARRARAファンの皆さん、どうかがんばってCARRARAファミリー(

これらをどう呼ぶべきでしょうか・・・。旧メタクリファミリーとか・・・。)をもり立てましょう。私もがんばって投稿したりします。

EOVIAのホームページへ→www.eovia.com

もし、共感を得られたり、関連的なことでも思われたことがある方はぜひ掲示板までお願いいたします。

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